专利摘要:
本発明の方法は、ロイコトリエン又はヒドロキシエイコサノイドによって媒介される疾患又は症状を治療するための、OmCIポリペプチド又はOmCIポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。なし
公开号:JP2011511632A
申请号:JP2010544785
申请日:2009-02-05
公开日:2011-04-14
发明作者:ナン,マイルズ;リー,スーザン;ロベルシ,ピエトロ
申请人:ナチュラル・エンバイロンメント・リサーチ・カウンシル;
IPC主号:C12N15-09
专利说明:

[0001] 本発明は、エイコサノイドによって媒介される疾患及び症状の治療において有用な組成物、具体的にはロイコトリエン及びヒドロキシエイコサノイドによって媒介される疾患及び症状の治療のためのダニ由来の補体阻害物質に関する。]
背景技術

[0002] エイコサノイドは、シクロオキシゲナーゼ(COX)、リポキシゲナーゼ(LO)、及びチトクロームP450モノオキシゲナーゼ(CYP450)の三つの主要な酵素経路を介して炭素数20の脂肪酸であるアラキドン酸(AA)から誘導される、酸化された生物学的に活性な脂質メディエーターのファミリーである。エイコサノイドには、COX経路から誘導されるプロスタノイド(プロスタグランジン、PG、及びトロンボキサン、TXBを含む)、LO経路からのロイコトリエン、並びにLO及びP450モノオキシゲナーゼ経路からのヒドロキシエイコサテトラエン酸(HETE)及びエポキシエイコサトリエン酸(EET)が含まれる(Curtis-Prior、2004年、Peters-Golden及びHenderson Jr.、2007年)。エイコサノイドは多様な細胞型及び器官に対する多くの作用を媒介する。これらの作用には、血管緊張、並びに毛細血管及び細静脈の透過性の調節(PG、TBX、LK)、筋肉の収縮又は弛緩(PG、TBX、システイニルLK)、血小板機能の刺激又は阻害(TBX、PG)、腎血流及びミネラル代謝の調節(Imig、2000年、Hao及びBreyer、2007年)、悪性細胞の成長及び/又は拡大の制御(Schwartzら、2005年、Aya、2006年)、並びに、特に自己免疫疾患及び炎症症状における白血球の活性化(LK、HETE)(Samuelsson、1983年、Kim & Luster、2007年)が挙げられる。]
[0003] LTB4及びヒドロキシエイコサノイドは、BLT1及びBLT2のGタンパク質共役受容体によってこれらの作用を媒介する(Yokomizoら、1997年、2000年)。ヒトBLT1は、LTB4に特異的な高親和性受容体であり(Kd 0.39〜1.5nM、Tager及びLuster、2003年)、競合結合試験において20-ヒドロキシLTB4及び12-epi LTB4だけがLTB4と置き換わることができる(Yokomizoら、2001年)。ヒトBLT2は、LTB4に対して親和性がBLT1の20分の1と低く(Kd 23nM)、12-epi LTB4、20-ヒドロキシLTB4、12(S)-HETE及び15(S)-HETE、並びに12(S)-HPETE及び15(S)-HPETEを含めたより広範囲のエイコサノイドに結合することによって活性化される(Yokomizoら、2001年)。ヒトBLT2は、ヒト及びマウスBLT1と45.2%及び44.6%のアミノ酸同一性を有し、一方ヒト及びマウスのBLT2の同一性は92.7%である(Yokomizoら、2000年)。]
[0004] ヒトBLT1は主に白血球の表面上に発現されるが、最近は内皮細胞及び血管平滑筋細胞において記載されている。ヒトBLT2は、より広範囲の組織及び細胞型で発現されている。ヒト好中球の活性化、血管外遊出、及びアポトーシスを阻害し(Kim及びLuster、2007年)、炎症性関節炎(Kimら、2006年)及び腎虚血再潅流(Noiriら、2000年)のマウスモデルにおいて好中球浸潤によって引き起こされる症状を低減する、BLT1及びBLT2のいくつかの特異的なアンタゴニストが記載されている。ますます多くの研究によって、BLT1及びBLT2の両方とも、LTB4及びヒドロキシエイコサノイドによって病理学的作用を媒介することができることが示されているが(Lundeenら、2006年)、BLT1はマウスにおけるコラーゲン誘発性関節炎などのいくつかの病理において優勢な役割を確かに有する(Shaoら、2006年)。BLT1-/-欠損マウスも、炎症反応における好中球の遊走を誘導する際のBLT1の重要性を強調している。特に、5LO欠損マウス系統を用いて、好中球上のBLT1のオートクリン活性化が関節炎の関節中への好中球の動員に必要とされることが示された(Chenら、2006年)。]
[0005] LTB4は、記載されている最も強力な化学走化性及び化学運動性のエイコサノイドであり、インテグリンの上方制御による好中球の血管内皮への接着を促進する(Hooverら、1984年)。LTB4はまた、好中球に対する完全な分泌促進物質でもあり、好中球の凝集を誘発し、微小血管の透過性を増大する。LTB4は、ナチュラルキラー細胞、単球、及び好酸球を動員し、活性化する。LTB4は、スーパーオキシドラジカルの形成を増大し(Harrisonら、1995年)、組織の炎症を増大し、長引かせることがある数々の炎症誘発性サイトカイン及びメディエーターの生成を含めた遺伝子発現を調節する(Ford-Hutchinson、1990年、Showellら、1995年)。LTB4は、適応免疫反応の誘発及び管理において役割を有することがますます示されている。例えば、樹状細胞の流入領域リンパ節への輸送の調節(Klaasら、2006年、Del Preteら、2007年)、肺T細胞からのTh2サイトカインIL-13の生成(Miyaharaら、2006年)、抗原特異的エフェクターCD8+T細胞の動員(Taubeら、2006年)、並びにヒトBリンパ球の活性化及び増殖(Yamaokaら、1989年)。]
[0006] B4イソロイコトリエンなどのLTB4の酸化型異性体の誘導体も、生物学的に活性である(Harrisonら、1995年)。ヒドロキシエイコサノイド同様、例えば、5(S)-HETEは、好中球に対する極めて強力な化学誘引物質である(Powell及びRokach、2005年)。システイニルLKはLTA4から誘導され、気道の内側の平滑筋の収縮によって引き起こされる気管支収縮、血管漏出によって引き起こされる粘膜の浮腫、粘液の分泌の増大、及び好酸球に富む炎症細胞浸潤物の存在を含めた喘息の病理と相関する(Bisgaardら、1985年、Drazenら、1988年)。]
[0007] いくつかの市販の薬物がエイコサノイドを標的としている。これらには、ホスホリパーゼA2(PLA2)を調節し、それによってエイコサノイド前駆物質であるAAの放出を阻害するグルココルチコイドが含まれる(Sebaldtら、1990年)。プロスタグランジン及びトロンボキサンの合成を防止する、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)及び他のCOX2阻害薬(Curryら、2005年)。LTB4合成に必要とされる5-LO酵素を阻害し(Zileuton、Dubeら、1998年)、又はシステイニルロイコトリエンの作用を媒介するCysLT1受容体に拮抗する(ザフィルルカスト及びモンテルカスト)(Sharma及びMohammed、2006年)、いくつかのLK修飾因子も存在する。LK修飾因子は経口的に利用可能であり、慢性喘息の治療における使用についてFDAに認可されている。モンテルカストはまた、2003年1月に季節性アレルギー性鼻炎に対して、2007年4月に運動誘発性気管支攣縮(EIB)に対して、FDAの認可を受けている。モンテルカストの静脈内製剤は、経口製剤に比べて臨床効果の開始が速やかであり、急性喘息の治療用に開発されている。モンテルカストは嚢胞性線維症における使用には認可されていないが、治療効果の証拠はいくつか存在する(Stellmachら、2005年)。]
[0008] WO2004/106369号は、補体成分C5に直接結合することによって、古典補体経路及び第2補体経路両方を阻害する、ヒメダニ由来の補体(C)阻害物質OmCIを記載している(Nunnら、2005年)。OmCIは、吸血性の節足動物(anthropod)の唾液腺に由来する。これは治療可能性が証明されている(Hepburnら、2007年)。]
発明が解決しようとする課題

[0009] 今回、OmCIがエイコサノイドに結合することが示された。具体的には、本発明は、OmCIが、エイコサノイド、具体的にはLK、特にロイコトリエンB4(LTB4)及びヒドロキシエイコサノイドである12(S)-ヒドロキシエイコサテトラエン酸(HETE)に結合する、かつて証明されていない能力に関する。非修飾型又は修飾型のOmCIは、12-epi LTB4、20-ヒドロキシLTB4、並びに15(S)-ヒドロキシエイコサテトラエン酸(HETE)と、12(S)-及び15(S)-ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸(HPETE)を含めた他のヒドロキシエイコサノイドに結合することもできる。本発明は、ロイコトリエン、特にLTB4及びヒドロキシエイコサノイドが病態に関係する疾患の治療及び予防におけるOmCIの使用にも関する。OmCIはLK及びヒドロキシエイコサノイドに結合し、これらを抱合(cage)する。これにより、BLT1及びBLT2受容体の両方とリガンドが相互作用することを防止し、両方の受容体を介したシグナル伝達に依存することが多く示されている脂肪酸の炎症誘発作用を軽減することができる。]
課題を解決するための手段

[0010] したがって、本発明の一態様において、ロイコトリエン又はヒドロキシエイコサノイドによって媒介される疾患又は症状を治療するための、OmCIポリペプチド又はOmCIポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが提供される。]
[0011] 本発明の好ましい一実施形態において、OmCIポリペプチドは、
(a)配列番号3のアミノ酸配列、
(b)配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有し、かつロイコトリエン(LK/E)結合活性を有するその変異体、又は
(c)LK/E結合活性を有するそのいずれかの断片
を含む。]
[0012] 本発明のポリペプチド又はポリヌクレオチドは、炎症性疾患又は症状の治療、並びにロイコトリエン又はヒドロキシエイコサノイドによって媒介される他の疾患及び症状の治療において用いることができる。本発明に従って治療することができる疾患及び障害の例には、ブドウ膜炎、アトピー性皮膚炎、接触過敏症、潰瘍性大腸炎、食道腺癌、膵臓腺癌、乳癌、卵巣癌、ざ瘡、動脈瘤、歯周病、嚢胞性線維症、前立腺癌、喘息、アテローム性動脈硬化症、乾癬、細気管支炎、及び炎症性腸疾患が含まれる。]
[0013] 本発明の別の一態様において、それを必要とする対象においてロイコトリエン又はヒドロキシエイコサノイドによって媒介される疾患又は症状を治療又は予防する方法であって、対象に、治療有効量のOmCIポリペプチド、又はOmCIポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを投与することを含む方法が提供される。]
[0014] 本発明のさらなる態様において、OmCIポリペプチドと脂肪酸とを含む組成物が提供される。脂肪酸は、好ましくは治療用の脂肪酸であり、個体へ送達するために供給される。]
図面の簡単な説明

[0015] パルミトレイン酸に結合している、細菌発現OmCI(bOmCI)の結晶構造の詳細を示す図である(図中央)。
PBSあり又はなしの12(S)-HETE 12500pg/mL、OmCI、RaHBP2のプレインキュベート20分後の溶液中の、41.2μgのbOmCIによる12(S)-HETEの結合(pg/mL 12(S)-HETE)を示す酵素イムノアッセイ(EIA)を示す図である。
12(S)-HETE 12500pg/mL及び三つの濃度のbOmCIとインキュベート後の溶液中のbOmCIによる12(S)-HETE結合(12(S)-HETE)の用量依存性を示す図である。
12(S)-HETEとのbOmCIのプレインキュベート時間の効果を示す図であり、プレインキュベート時間を長くしても、bOmCIによる12(S)-HETEの結合に影響はない。
41.2mcgのbOmCI、yOmCI、及びRaHBP2による12(S)-HETEの結合を示す図であり、EIAは、bOmCIが、等量の酵母発現yOmCIよりも多くの12(S)-HETEを捕捉することを示している。
TXB2 3333pg/mLとOmCI及びRaHBP2をインキュベート後の溶液中のTXB2を示す図であり、EIAは、bOmCIによるトロンボキサンB2に対する結合がないことを示している。
LTB4 750pg/mLとbOmCI及びRaHBP2をインキュベート後の溶液中の見かけのLTB4を示す図であり、EIAはbOmCI存在下のLTB4の見かけの濃度を示す。
LTB4-APコンジュゲートとのbOmCI(段階希釈のbOmCI)によるLTB4-AP結合の用量依存性を示す図である。
等濃度のbOmCI及びyOmCI(8.6mg/mLストック)によるLTB4-AP結合の比較を示す図であり、yOmCI及びbOmCIによるLTB4の用量依存性結合は類似する。
過剰の12(S)-HETE結合の、8.24μgのbOmCIに対するLTB4-AP結合の影響を示す図であり、過剰の12(S)-HETEは、bOmCIに対するLTB4結合に競合しない。
ポケット底部を満たしていた水分子Z23を除去した後のOMCIモデルPDB ID 2CM4(棒形)中のドッキングされたLTB4(球形)を示す図である(Z23はE41及びF36の主鎖カルボニルにH結合していた)。
皮膚に塗布された100ngのLTB4に反応して形成された病変をOmCIが消失させることを示す図である。塗布23時間後に写真を撮影した。スケールバーを示す。
bOMCI及びLTB4の吸収スペクトルを示す図である。(A)OmCI添加前の溶液中のLTB4(上の線)、及びbOmCI:LTB4複合体を添加し、次いで限外ろ過によって除去した後の同溶液の再測定(下の線)、(B)限外ろ過によって200μlに濃縮した直後のbOmCI:LTB4複合体(上の線)及びbOmCI(下の線)。
LTB4(写真中央)に結合しているbOmCIの結晶構造からの詳細を示す図である。C-5及びC-12のカルボキシ基及びヒドロキシル基の、LTB4における酸素原子を示す。これらの基は、結合空隙におけるアミノ酸との水素結合(点線)を形成する(実施例7の本文を参照されたい)。
LTB4でプレローディングしたOmCIではなくモル比4:1から1:1のOmCIは、皮膚に塗布された100ngのLTB4に反応して形成された病変を消失させることを示す図である。塗布48時間後に写真を撮影した。スケールバーを示す。
OmCI(図16中EV576と呼ぶ)50μgを静脈内投与すると、肺における好中球の動員を低減し、血管の透過性、及び抗オボアルブミン(Ova)抗体150gの鼻腔内投与に起因するタンパク質の滲出を低減することを示す図である。]
[0016] 配列の説明
配列番号1は、カズキダニ(Ornithodoros moubata)のOmCIのポリヌクレオチド及びコードされるタンパク質配列である。]
[0017] 配列番号2は、カズキダニのOmCIのアミノ酸配列である。]
[0018] 配列番号3は、配列番号2に示されたアミノ酸19から168のアミノ酸配列であり、シグナル配列である配列番号2のタンパク質の最初のアミノ酸配列なしのOmCIのアミノ酸配列である。]
[0019] 配列番号4及び5は、過剰グリコシル化を回避するために酵母において発現するための、Asn78をGlnに、Asn102をGlnに変更するように改変され、それぞれAAT及びAACからCAAへコドン変化されたOmCIの、それぞれポリヌクレオチド及びコードされるタンパク質配列並びにタンパク質配列である。]
[0020] このように、本発明は、ロイコトリエン又はヒドロキシエイコサノイドによって媒介される疾患又は症状を治療するための、OmCIポリペプチド、又はOmCIポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。OmCIタンパク質は、カズキダニの唾液から単離されたダニ由来の補体阻害物質であるか、又はその相同体及びそのいずれかの断片を含めたその機能的同等物である。]
[0021] 本発明のOmCIタンパク質は、カズキダニからのOmCIであるのが好ましい。このタンパク質は、ダニの唾液腺から最初に単離され、古典補体経路及び第2補体経路を阻害することが見出されている。このタンパク質のアミノ酸配列を配列番号2に示す。本発明に係るポリペプチドは、配列番号2に示す完全な配列を含んでいてよい。代替として、シグナル配列を形成するタンパク質配列の最初の18アミノ酸を含まないポリペプチドを提供する。したがって、本発明に係るポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列のアミノ酸19から168である、配列番号3のポリペプチドでもよい。]
[0022] カズキダニからのOmCIタンパク質の変異体、例えば相同体、又は断片も本発明により提供する。このような相同体には、例えば、リピセファルス・アッペンジクラツス(Rhipicephalus appendiculatus)、R.サングイネウス(R. sanguineus)、R.ブルサ(R. bursa)、A.アメリカナム(A. americanum)、A.カジェネンセ(A. cajennense)、A.ヘブレウム(A. hebraeum)、オウシマダニ(Boophilus microplus)、B.アヌラツス(B. annulatus)、B.デコロラツス(B. decoloratus)、アミメカクマダニ(Dermacentor reticulatus)、D.アンデルソニ(D. andersoni)、D.マーギナツス(D. marginatus)、D.バリアビリス(D. variabilis)、ヘマフィサリス・イネルミス(Haemaphysalis inermis)、Ha.レアチイ(Ha. leachii)、Ha.プンクタタ(Ha. punctata)、ヒアロンマ・アナトリクム・アナトリクム(Hyalomma anatolicum anatolicum)、Hy.ドロメダリイ(Hy. dromedarii)、Hy.マルギナツム・マルギナツム(Hy. marginatum marginatum)、イクソデス・リシヌス(Ixodes ricinus)、I.ペルスルカトゥス(I. persulcatus)、I.スカプラリス(I. scapularis)、I.ヘキサゴヌス(I. hexagonus)、ペルシャダニ(Argas persicus)、ハトヒラタダニ(A. reflexus)、オルニトドロス・エラティクス(Ornithodoros erraticus)、O.モウバタ・モウバタ(O. moubata moubata)、O.m.ポルシヌス(O. m. porcinus)、及びO.サビグニイ(O. savignyi)を含めた他のダニ種からのOmCIタンパク質配列を含む、配列番号2又は3に示されるOmCI配列のパラログ及びオルソログも含まれてよい。「相同体」という用語はまた、イエカ属(Culex)、ハマダラカ属(Anopheles)、及びヤブカ属(Aedes genera)のもの、特にネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、及びハマダラカ(Anopheles gambiae)を含めたカ種、ノミ種(例えば、ネコノミ(Ctenocephalides felis))、ウマバエ、スナバエ、ブユ、ツエツエバエ、シラミ、ダニ、ヒル、及び扁形動物からのOmCIタンパク質配列を含むことを意味する。]
[0023] 一実施形態において、OmCIポリペプチドは、
(a)配列番号3のアミノ酸配列、
(b)配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有し、かつLK/E結合活性を有するその変異体、又は
(c)LK/E結合活性を有するそのいずれかの断片
を含む。]
[0024] 変異体ポリペプチドは、そのアミノ酸配列が配列番号2又は3におけるアミノ酸配列から変化したポリペプチドであるが、OmCIとしてLK/E結合の、同じ本質的な性質又は基本的な機能性を保持しているポリペプチドである。]
[0025] 本明細書で用いられるLK/E結合活性は、それだけには限定されないが、LTB4、B4イソロイコトリエン、並びにこれらの任意のヒドロキシル化誘導体、HETE、HPETE、及びEETを含む、ロイコトリエン及びヒドロキシエイコサノイドに結合する能力を意味する。]
[0026] したがって、変異体ポリペプチドはLK/E結合活性を示すものである。典型的には、配列番号2又は3のアミノ酸配列と約50%、55%、又は65%を超えた同一性、好ましくは少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドが、タンパク質の変異体とみなされる。このような変異体は、ペプチドがOmCIの基本的な機能性を維持している限り、対立形質変異体、及びタンパク質配列内の単一のアミノ酸又は一群のアミノ酸の、欠失、修飾又は付加を含んでいてよい。配列番号3の変異体の同一性は、配列番号3に示される配列の少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも130個、若しくは少なくとも140個、若しくはそれを超える数の連続するアミノ酸の領域にわたって、又はより好ましくは配列番号3の全長にわたって測定することができる。]
[0027] 特にLK/E結合に必要とされる可能性があるアミノ酸には(配列番号2を参照して)、Phe36、Arg54、Leu57、Gly59、Val72、Met74、Phe76、Thr85、Trp87、Phe89、Gln105、Arg107、His119、Asp121、Trp133が含まれる。]
[0028] アミノ酸同一性は、任意の適切なアルゴリズムを用いて計算され得る。例えば、UWGCGパッケージは、ホモロジーを計算するのに用いられ得る(例えば、そのデフォルト設定で用いられる)BESTFITプログラムを提供する(Devereuxら、(1984年)Nucleic AcidsResearch、12巻、387〜395頁)。PILEUP及びBLASTアルゴリズムは、例えば、Altschul S.F.(1993年)J Mol Evol、36巻、290〜300頁、Altschul,S,Fら(1990年)J Mol Biol、215巻、403〜10頁に記載されているように、(典型的にはそのデフォルト設定で)等価の、又は対応する配列を同定するなど、ホモロジー又はラインアップ配列を計算するのに用いることができる。]
[0029] BLAST分析を行うためのソフトウエアは、National Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)によって公的に入手可能である。このアルゴリズムは、データベース配列における同じ長さのワードとアライメントする場合、いくつかの正の値の閾値スコアTとマッチし、又はTを満足する問い合わせ配列における長さWの短いワードを同定することによってハイスコア配列ペア(HSP)を最初に同定することを含む。Tは近傍ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschulら、上述)。これら最初の近傍ワードヒットは、これらを含むHSPを見つけるための検索を開始するためのシードとして働く。ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増大することができる限り、各配列に沿って両方向に伸長する。各方向におけるワードヒットに対する伸長は、累積アラインメントスコアがその最大達成値からXの量下落した場合、一若しくは複数の負のスコアの残余アラインメントの累積により累積スコアがゼロ若しくはそれ未満になった場合、又はいずれかの配列の終端に達した場合に停止する。BLASTアルゴリズムパラメータであるW、T、及びXはアラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして11のワード長(W)、50のBLOSUM62スコアマトリックスアラインメント(B)(Henikoff及びHenikoff(1992年)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89巻、10915〜10919頁を参照されたい)、10の期待値(E)、M=5、N=4、及び両鎖の比較を用いる。]
[0030] BLASTアルゴリズムは、2配列間の類似性の統計学的分析を行う。例えば、Karlin及びAltschul(1993年)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、90巻、5873〜5787頁を参照されたい。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性の一つの尺度は、それによって二つのポリヌクレオチド間又はアミノ酸配列間の一致が偶然によって生じる確率の指標を提供する最小和確率(P(N))である。例えば、第1の配列の第2の配列に対する比較における最小和確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、ある配列は別の一配列に類似するとみなされる。]
[0031] 変異体の配列は、少なくとも1、2、3、5、10、20、30、50、又はそれを超えた変異だけ(アミノ酸の置換、欠失又は挿入であってよい)典型的に異なる。例えば、1個から50個、2個から40個、3個から30個、又は5個から20個のアミノ酸の置換、欠失又は挿入がなされてよい。置換は、例えば以下の表によって、保存的置換であるのが好ましい。第2のカラムの同じブロックにおけるアミノ酸、好ましくは第3のカラムの同じ行におけるアミノ酸が、相互に置き換えられてよい。]
[0032] 本発明において用いられるOmCIポリペプチドの断片は、それがOmCIのLK/E結合活性を保持する限り、典型的には、少なくとも50個の、例えば、少なくとも80個又はそれを超える長さのアミノ酸であり、最高90個、100個、120個、130個、又は140個の長さのアミノ酸である。]
[0033] 本発明のポリペプチドを、別のペプチドに遺伝子的に又は化学的に融合しているOmCIポリペプチドを含む融合タンパク質として提供してもよい。他のペプチドの目的は、タンパク質の検出、発現、分離、又は精製を助けるためであってよい。或いは、タンパク質は、タンパク質の循環半減期を増大するためのFcペプチドなどのペプチドと融合していてもよい。他の融合パートナーの例には、β-ガラクトシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、又はルシフェラーゼが含まれる。]
[0034] 本発明において用いられるポリペプチドは、翻訳後修飾など、化学的に修飾されていてよい。例えば、ポリペプチドはグリコシル化、PEG付加、リン酸化されていてよく、又は修飾されているアミノ酸残基を含んでいてよい。ポリペプチドは、その精製を助けるためにヒスチジン残基の付加によって修飾してもよく、又は細胞膜中への挿入を促進するために単一配列の付加によって修飾してもよい。このような修飾されているポリペプチドは、本明細書で用いられる「ポリペプチド」という用語の範囲内に入る。]
[0035] 典型的には、本発明において用いるためのポリペプチドは、LK/E結合活性を示す。実際、OmCIは、炭素原子の長さが16個と20個の間の任意の非環状脂肪酸に結合する傾向を有する。ある種の脂肪酸、特にLTB4は、他のものよりも堅固に結合する。本発明のポリペプチドが結合することができる他の脂肪酸には、アラキドン酸、12-epi LTB4、20-ヒドロキシLTB4、並びに12(S)-ヒドロキシエイコサテトラエン酸(HETE)及び12(S)-ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸(HPETE)を含むヒドロキシエイコサノイドが含まれる。LK/E結合活性、又はポリペプチドの他の脂肪酸に対する結合活性は、当業者には公知の、酵素イムノアッセイ、質量分析法、又は放射性リガンド若しくは蛍光標識リガンドの結合アッセイなどの適切なアッセイによって測定することができる。このような結合アッセイの一つを実施例において例示する。いくつかの実施形態において、LTB4など、特定の脂肪酸に選択的に結合するポリペプチドを選択するのが好ましいことがある。このような選択的な結合活性は、適切なアッセイ、例えば、実施例において例示する競合アッセイによって測定することができる。]
[0036] 本発明のいくつかの態様においては、本発明において用いるためのポリペプチドは、カズキダニのOmCIによって示される補体阻害活性を保持しているのが好ましい。ポリペプチドが、補体活性の古典経路及び第2経路の両方を阻害するのが好ましい。阻害は、補体活性化の第2経路及び古典経路の効果が低減することを意味する。分子が古典補体経路及び第2補体経路の効果を低減する能力は、Giclasら(1994年)及びWO2004/106369号に記載されているものなど、当技術分野において公知の標準的な溶血アッセイによって測定することができる。本発明の補体阻害ポリペプチドの存在が、補体活性化の古典経路及び第2経路に対する標準的な溶血アッセイにおける赤血球溶血を、補体阻害ポリペプチドの非存在下の標準アッセイに比べて少なくとも20%低減するのが好ましく、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、又は80%低減するのがより好ましい。]
[0037] 好ましくは、補体阻害ポリペプチドは、古典経路におけるC5転換酵素(コンベルターゼ)、及び第2経路におけるC5転換酵素によるC5の切断を阻害する。C5転換酵素によるC5のC5bへの転換は、第2補体経路及び古典補体経路の両方において生じる。古典経路におけるC5転換酵素はC4b3b2aであり、第2経路におけるC5転換酵素はC3b2Bbである。これら両方のC5転換酵素によるC5切断の阻害は、このように補体活性化の古典経路及び第2経路両方を阻害する。古典経路及び第2経路のC5転換酵素によるC5切断を阻害する分子の能力は、標準的なin vitroアッセイによって測定することができる。補体阻害ポリペプチドの存在が、補体阻害ポリペプチド非存在下の標準アッセイに比べて、古典経路及び第2経路のC5転換酵素によるC5の切断を、少なくとも20%低減するのが好ましく、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、又は80%低減するのがより好ましい。好ましくは、本発明のポリペプチドの補体阻害活性は、ある範囲の哺乳動物種からの古典経路及び第2経路のC5転換酵素によってC5の切断を阻害する。]
[0038] 本発明の別の一態様において、本発明において用いるためのOmCIポリペプチドは、補体阻害活性が低減され、又は非存在であるように選択される。例えば、OmCIポリペプチドは、βHからC末端α2ヘリックスである132〜142ループ(配列番号1を参照して)において変異を有するものであってもよい。例えば、ループにおける一又は複数又は全てのアミノ酸は欠失していてよく、あるいは例えばTSGP2からのアミノ酸で置換されてC5に対する結合が低減又は除去されてよく、したがって補体阻害活性が低減していてよい。]
[0039] 本発明において用いるためのポリペプチドは、実質的に単離されている形態とすることができる。ポリペプチドは、ポリペプチドの意図される目的を妨害せず、依然として本質的に単離されているとみなされる担体又は希釈剤と混合してよいことが理解されよう。本発明において用いるためのポリペプチドは、本質的に精製されている形態であってもよく、この場合、一般的に、調製物中のポリペプチドの50重量%を超えて、例えば、80重量%、90重量%、95重量%、又は99重量%を超えて本発明のポリペプチドである調製物中にポリペプチドを含む。]
[0040] 本発明において用いるためのポリペプチドは、OmCIポリペプチド又はOmCIポリペプチドの変異体を生成するあらゆるダニから単離することができる。]
[0041] 本発明において用いるためのポリペプチドは、このような単離されているポリペプチドの断片として調製することもできる。さらに、OmCIポリペプチドは、合成によって、又は組換え手段によって作製することができる。例えば、組換えOmCIポリペプチドは、哺乳動物、真菌、細菌又は昆虫の細胞培養物に、適切な制御配列に機能的に連結しているポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターをトランスフェクトし、細胞を培養し、細胞によって生成されたOmCIポリペプチドを抽出し、精製することによって生成することができる。]
[0042] 本発明において用いるためのポリペプチドのアミノ酸配列は、天然に存在しないアミノ酸を含むように改変してもよく、又は化合物の安定性を増大するように改変してもよい。合成手段によってポリペプチドを生成する場合は、このようなアミノ酸を生成の間に導入してもよい。ポリペプチドは、合成又は組換えでの生成の後に修飾してもよい。]
[0043] 本発明において用いるためのポリペプチドは、D-アミノ酸を用いて生成することができる。このような場合において、アミノ酸はCからNの方向において逆配列で連結している。これは、このようなポリペプチドを生成するのに、当技術分野において慣例的である。]
[0044] いくつかの側鎖の修飾が当技術分野において知られており、側鎖の修飾は、ポリペプチドがLK/E結合活性を保持するのであれば、OmCIポリペプチドの側鎖に対して行うことができる。]
[0045] ポリヌクレオチド
OmCIポリペプチド又は変異体をコードするポリヌクレオチドを、ロイコトリエン又はエイコサノイドによって媒介される疾患又は症状を治療又は予防するのに用いることができる。具体的には、ポリヌクレオチドは、(a)配列番号1のコード配列、(b)遺伝子コードの結果として(a)で規定される配列に対して縮重の配列、(c)(a)及び(b)で規定される配列と少なくとも60%の同一性を有し、かつLK/E結合活性を有するポリペプチドをコードする配列、又は(d)LK/E結合活性を有するポリペプチドをコードする、(a)、(b)若しくは(c)で規定される配列のいずれか一つの断片、を含むか又はこれらからなるものである。]
[0046] 典型的には、ポリヌクレオチドはDNAである。しかし、ポリヌクレオチドはRNAポリヌクレオチドであってもよい。ポリヌクレオチドは一本鎖でも又は二本鎖でもよく、その中に合成又は修飾ヌクレオチドを含んでいてよい。]
[0047] 本発明のポリヌクレオチドは、典型的に、バックグラウンドを大幅に超えるレベルの、配列番号1のコード配列又はコード配列の相補体とハイブリダイズすることができる。バックグラウンドハイブリダイゼーションは、例えば、他のDNAがDNAライブラリー中に存在するために起こることがある。本発明のポリヌクレオチドと、配列番号1のコード配列又はコード配列の相補体との間の相互作用によって産生されるシグナルレベルは、他のポリヌクレオチドと配列番号1のコード配列との間の相互作用よりも、典型的には少なくとも10倍、好ましくは少なくとも100倍強力である。相互作用の強度は、例えば32Pなどでプローブを放射性標識することによって測定することができる。選択的ハイブリダイゼーションは、典型的には、中程度から高度のストリンジェンシー条件を用いて達成してもよい。しかし、このようなハイブリダイゼーションは、当技術分野では知られている任意の適切な条件下で行うことができる(Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、1989年を参照されたい)。例えば、高度のストリンジェンシーが必要とされる場合、適切な条件は、60℃から65℃における0.1から0.2×SSCを含む。より低いストリンジェンシーが必要とされる場合は、適切な条件は60℃における2×SSCを含む。]
[0048] 配列番号1のコード配列は、例えば、1、2又は3個から10、25、50又は100個までのヌクレオチド置換によって改変されてもよい。その代わりに又はそれに加えて、配列番号1のポリヌクレオチドは、一又は複数の挿入及び/又は欠失、及び/又は片側若しくは両方の末端の伸長によって、改変されてもよい。シグナル配列などのさらなる配列も含まれてよく、或いはタンパク質の検出、発現、分離又は精製を助けるための別のペプチド又はタンパク質をコードする配列、或いはタンパク質の循環半減期を増大するためのFcペプチドなどのペプチドをコードする配列も含まれてよい。他の融合パートナーの例には、β-ガラクトシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、又はルシフェラーゼが含まれる。]
[0049] 改変ポリヌクレオチドは、一般的に、LK/E結合活性を有するポリペプチドをコードしている。縮重置換がなされることがあり、及び/又は例えば上記の表において示すように、改変された配列が翻訳される場合に保存的なアミノ酸の置換をもたらす置換がなされることもある。]
[0050] 配列番号1のDNAコード配列の相補体に選択的にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列は、一般的に、配列番号1又は配列番号1に示される配列を有するポリペプチドをコードする配列番号1の長さの、少なくとも20個、好ましくは少なくとも30個、例えば少なくとも40個、少なくとも60個、少なくとも100個、少なくとも200個、少なくとも420個の領域にわたって、又は最も好ましくは全長にわたって、配列番号3のコード配列に、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する。配列同一性は、例えば上に記載したような、任意の適切な方法によって決定することができる。]
[0051] 任意の組合せの上で言及した程度の配列同一性及び最小のサイズを用いて、本発明のポリヌクレオチドを規定してもよく、よりストリンジェントな組合せ(即ち、より長い長さにわたってより高い配列同一性)が好ましい。したがって、例えば、ヌクレオチド60個にわたって、好ましくは100個にわたって少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチドが本発明の一態様を形成し、ヌクレオチド420個にわたって少なくとも95%の配列同一性を有するポリヌクレオチドも本発明の一態様を形成する。]
[0052] ポリヌクレオチド断片の長さは、好ましくは少なくともヌクレオチド20個であり、例えば少なくとも25個、少なくとも30個、又は少なくとも50個である。これらの長さは典型的には、ヌクレオチド100個、150個、250個、又は400個までである。断片の長さはヌクレオチド400個より長くてよく、例えば、ヌクレオチド5個、10個又は15個など、数ヌクレオチドまで、配列番号1のコード配列の短さまで長くてよい。]
[0053] 本発明において用いるためのポリヌクレオチドは、組換えによって、合成によって、又は当業者であれば入手可能である任意の手段によって生成されてよい。これらは、標準的な技術によってクローニングすることができる。ポリヌクレオチドは、典型的に、単離された形態及び/又は精製された形態において提供される。]
[0054] 一般的に、短いポリヌクレオチドは、1回に1ヌクレオチドの、所望の核酸配列の段階的な製造を行う、合成的手段によって生成される。自動化された技術を用いてこれを達成するための技術は、当技術分野において容易に利用可能である。]
[0055] より長いポリヌクレオチドは、一般的に、組換え手段を用いて、例えば、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)クローニング技術を用いて生成される。これは、クローニングに望ましいOmCI遺伝子の領域に対する一対のプライマー(例えば、約15〜30ヌクレオチドのもの)を作製し、所望の領域の増幅をもたらす条件下でポリメラーゼ連鎖反応を行って節足動物細胞から得たDNAとプライマーを接触させ、増幅した断片を単離し(例えば、アガロースゲル上で反応混合物を精製することによって)、増幅したDNAを回収することを含む。プライマーは、増幅されたDNAが適切なクローニングベクター中にクローニングされ得るように、適切な制限酵素認識部位を含むようにデザインされていてよい。]
[0056] このような技術を用いて、本明細書に記載するOmCI遺伝子配列の全部又は一部を得ることができる。概ね、本明細書で言及した技術は当技術分野において周知であるが、具体的にはSambrookら(1989年)を参照するとよい。]
[0057] 本明細書に記載したOmCIポリヌクレオチドは、in vitro、in vivo、又はex vivoにおいて行うことができる、本発明において用いるためのポリペプチドの生成に有用性がある。ポリヌクレオチドは、それ自体で治療薬として用いてもよく、又は組換えタンパク質の合成に関与してもよい。]
[0058] 本発明において用いるためのポリヌクレオチドは、典型的に、組換えの複製可能なベクター中に組み入れられる。ベクターは、適合性の宿主細胞において核酸を複製するのに用いられ得る。したがって、本発明において用いるためのポリヌクレオチドは、OmCIポリヌクレオチドを複製可能なベクター中に導入し、ベクターを適合性の宿主細胞中に導入し、宿主細胞をベクターの複製をもたらす条件下で増殖させることによって作製することができる。宿主細胞は、例えば、大腸菌(E.coli)細胞であってよい。]
[0059] ベクターが、OmCIポリペプチドをコードする核酸配列を含む発現ベクターであるのが好ましい。このような発現ベクターは、分子生物学の技術分野において日常的に構築され、例えば、プラスミドDNA及び好適なイニシエーター、プロモーター、エンハンサー、及び例えば、必要であることがあり、タンパク質の発現を可能にするために正確な配向で配置されるポリアデニル化シグナルなどの他のエレメントの使用を伴うことがある。コード配列は、用いるべき宿主生物に適する好ましいコドン使用頻度をもたらすように選択することができる。他の適切なベクターは、当業者であれば明らかである。これに関するさらなる例として、本発明者らはSambrookら(1989年)を言及する。]
[0060] 好ましくは、ベクターにおいて、本発明において用いるためのポリヌクレオチドは、宿主細胞によるコード配列の発現のために提供することができる制御配列に機能的に連結しており、即ち、ベクターは発現ベクターである。「機能的に連結している」という用語は、記載されている構成要素が、意図されるように該構成要素が機能するのを可能にする関係にある近位を意味する。コード配列に「機能的に連結している」プロモーターなどの制御配列は、コード配列の発現が、制御配列に適合性である条件下で実現されるように位置付けられている。]
[0061] ベクターは、例えば、複製開始点と、場合により前記ポリヌクレオチドを発現するためのプロモーター、及び場合によりプロモーターの制御因子を備えた、プラスミド、ウイルス又はファージのベクターであってよい。ベクターは、典型的に、in vivoで用いるように適合されている。]
[0062] プロモーター及び他の発現制御シグナルは、その発現がデザインされる宿主細胞と適合性であるように選択することができる。β-アクチンプロモーターなどの哺乳動物プロモーターを用いることができる。組織特異的なプロモーターが特に好ましい。モロニーマウス白血病ウイルス末端反復配列(MMLVLTR)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプロモーター、SV40プロモーター、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)IEプロモーター、アデノウイルス、HSVプロモーター(HSV IEプロモーターなど)、又はHPVプロモーター、特にHPV上流調節領域(URR)など、ウイルスプロモーターも用いることができる。ウイルスプロモーターは、当技術分野において容易に入手できる。]
[0063] ベクターは、真核細胞のゲノム配列、好ましくは哺乳動物のゲノム配列に相同である配列を含むポリヌクレオチドを生じるポリヌクレオチドに隣接する配列をさらに含むことができる。これにより、相同的組換えによって、本発明のポリヌクレオチドを真核細胞のゲノム中に導入できるようになる。具体的には、ウイルス配列が隣接する発現カセットを含むプラスミドベクターを用いて、本発明のポリヌクレオチドを哺乳動物細胞に送達するのに適するウイルスベクターを調製することができる。適切なウイルスベクターの他の例には、単純ヘルペスウイルスベクター、並びにレンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、及びHPVウイルスを含めたレトロウイルスが含まれる。これらのウイルスを用いた遺伝子移入技術は当業者には知られている。例えば、レトロウイルスベクターを用いて、ポリヌクレオチドを生じるポリヌクレオチドを宿主のゲノム中に安定に組み込むことができる。複製欠陥アデノウイルスベクターは、対照的に、エピソームのままであり、したがって一過性の発現を可能にする。]
[0064] 疾患及び症状
本発明者らは、OmCIは、LTB4及びヒドロキシエイコサノイドである12(S)-HETEに結合する能力を有することを見出した。LTB4は、記載されている最も強力な走化性及び化学運動性のエイコサノイドであり、インテグリンの上方制御により好中球の血管内皮への接着を促進する。LTB4は好中球の凝集を誘発し、様々なプロセスによって炎症の役割を果たす。LTB4は、適応免疫反応の誘発及び管理において役割を有することが示されている。したがって、OmCIは、ロイコトリエン及びヒドロキシエイコサノイドに結合しこれらを抱合(cage)する能力を有し、これらのリガンドがBLT1及びBLT2受容体と相互作用することを防止することができ、脂肪酸の炎症誘発作用を軽減するのに用いることができる。]
[0065] 本発明に従って治療することができる具体的な障害の例には、ブドウ膜炎、アトピー性皮膚炎、接触過敏症、潰瘍性大腸炎、食道腺癌、膵臓腺癌、乳癌、卵巣癌、大腸癌、肺癌、ざ瘡、閉塞性細気管支炎、動脈瘤、歯周病、嚢胞性線維症、前立腺癌、炎症後色素沈着、線維筋痛症、全身性エリテマトーデス、腫瘍転移、強皮症、多発性硬化症、サルコイドーシス、放射線誘発性消化管炎症、及び痛風が含まれる。]
[0066] 本発明に従って治療することができる別の症状及び障害には、喘息、細気管支炎、アテローム性動脈硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患(クローン病を含む)、敗血症、動脈炎、心筋梗塞、卒中、及び冠動脈性心疾患、虚血再潅流傷害、腎炎、及び関節リウマチを含む関節炎、脊椎関節症、骨関節炎、及び若年性関節炎が含まれる。]
[0067] 本発明に従って治療することができる、LTB4によって媒介されることが知られている症状には、閉塞性細気管支炎、強皮症、間質性肺疾患、歯周病、慢性Bリンパ球性白血病、前立腺癌、及びアテローム性動脈硬化症が含まれる。]
[0068] 本発明に従って治療することができる、LTB4及び補体によって媒介されることが知られている症状には、腎炎、様々な種類の関節炎、ブドウ膜炎、癌、敗血症、虚血再潅流傷害、卒中、及び心筋梗塞が含まれる。]
[0069] 抗炎症性脂肪酸(例えば、リポキシン及びレソルビン)が役割を果たすことが知られており、本発明に従ってOmCIにより送達しようとする症状には、強皮症、間質性肺疾患、線維症、歯周病、関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、及び大腸炎が含まれる。]
[0070] 治療及び予防
本発明は、ロイコトリエン及びエイコサノイドによって媒介される疾患又は症状を治療又は予防するための、OmCIポリペプチド及びポリヌクレオチドの使用を提供する。治療は、治療的であってよいし、又は予防的であってもよい。]
[0071] 疾患又は症状の一又は複数の症候の発症を予防するために、OmCIポリペプチド又はポリヌクレオチドを個体に投与することができる。この実施形態において、対象は無症候であってもよい。対象は、疾患に対する遺伝的素因を有していてもよい。予防有効量のポリペプチド又はポリヌクレオチドを、このような個体に投与する。予防有効量は、疾患又は症状の一又は複数の症候の発症を予防する量である。]
[0072] OmCIポリペプチド又はポリヌクレオチドの治療有効量は、疾患又は症状の一又は複数の症候を軽減するのに有効な量である。治療対象の個体がヒトであるのが好ましい。]
[0073] OmCIポリペプチド又はポリヌクレオチドを、任意の適切な手段によって対象に投与することができる。ポリペプチド又はポリヌクレオチドを、経口、バッカル、肛門、肺、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、関節内、局所又は他の好適な投与経路などの経腸又は非経口経路によって投与することができる。]
[0074] OmCIポリペプチド又はポリヌクレオチドは、特定の部位に対する標的治療などの方法において対象に投与してもよい。]
[0075] 本明細書で言及するポリペプチド及びポリヌクレオチドのいずれかの製剤は、ポリペプチド又はポリヌクレオチドの性質、及び治療対象の症状などの因子に依存する。ポリペプチド又はポリヌクレオチドを、様々な剤形において投与することができる。ポリペプチド又はポリヌクレオチドを、経口的に(例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性若しくは油性懸濁液、分散性散剤若しくは顆粒剤として)、非経口的に、皮下に、静脈内に、筋肉内に、胸骨内に、経皮的に、局所的に、又は注入技術によって投与することができる。ポリペプチド又はポリヌクレオチドを坐剤として投与してもよい。医師は、各々の特定の患者に必要とされる投与経路を決定することができる。]
[0076] 典型的には、ポリペプチド又はポリヌクレオチドを、薬学的に許容される担体又は希釈剤と一緒に用いるために調合し、これは製薬の技術分野で日常的な方法を用いて行われてよい。製薬上の担体又は希釈剤は、例えば、等張溶液であってよい。例えば、固体経口剤形は、有効成分と一緒に、希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、ショ糖、セルロース、コーンスターチ、又はバレイショデンプン;滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム若しくはステアリン酸カルシウム、及び/又はポリエチレングリコール;結合剤、例えば、デンプン、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はポリビニルピロリドン;脱凝集剤、例えば、デンプン、アルギン酸、アルギン酸塩、又はデンプングリコール酸ナトリウム;発泡混合物;色素;甘味剤;レシチン、ポリソルベート、ラウリル硫酸などの湿潤剤;並びに、一般的に、医薬製剤において用いられる非毒性の薬理学的に不活性な物質を含むことができる。これらの医薬調製物は、例えば、混合、顆粒化、打錠、糖衣、又はフィルムコーティングのプロセスによって、公知の方法において製造することができる。]
[0077] 経口投与用の液体分散剤は、シロップ剤、乳剤、及び懸濁剤であってよい。シロップ剤は、担体として、例えば、ショ糖、又はグリセリンと一緒のショ糖、及び/又はマンニトール、及び/又はソルビトールを含むことができる。]
[0078] 懸濁剤及び乳剤は、担体として、例えば、天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はポリビニルアルコールを含むことができる。筋肉内注射用の懸濁剤又は液剤は、有効化合物と一緒に、薬学的に許容される担体、例えば、滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール(例えば、プロピレングリコール)、及び所望により適切な量の塩酸リドカインを含むことができる。]
[0079] 静脈内及び注入用の溶液は、担体として、例えば、滅菌水を含んでいてよく、又は好ましくは、滅菌の、水性の、等張生理食塩溶液の形態であってよい。]
[0080] 坐剤に関して、伝統的な結合剤及び担体は、例えば、ポリアルキレングリコール又はトリグリセリドなどであり、このような坐剤は、0.5%から10%、好ましくは1%から2%の範囲の有効成分を含む混合物から形成されてよい。]
[0081] 経口製剤は、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの通常使用される賦形剤を含む。これらの組成物は、溶剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、徐放製剤、又は散剤の剤形であり、有効成分を10%から95%、好ましくは25%から70%含む。医薬組成物が凍結乾燥されている場合、凍結乾燥されている材料は、懸濁液など、投与前に再構成されてよい。再構成がバッファー中で実施されるのが好ましい。]
[0082] 患者に経口投与するためのカプセル剤、錠剤、及び丸剤は、例えば、Eudragit「S」、Eudragit「L」、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む腸溶コーティングと共に提供されてよい。]
[0083] 経皮送達など、無針注射によって送達するのに適する医薬組成物も用いることができる。本発明に係る組成物は、具体的には、ローション又はセラムタイプの分散剤の水性、水-アルコール性、又は油性の溶液の、無水又は親油性ゲルの、脂肪相を水相中に分散し(O/VV)又はその反対(VV/O)によって得られるミルクタイプの液体又は半流動の粘稠性の乳液の、或いはクリーム又はゲルタイプの軟、半固形の粘稠性の懸濁液又は乳液の、或いはマイクロエマルジョンの、マイクロカプセルの、微粒子の、又はイオン型及び/若しくは非イオン型の小胞分散液の形態において、局所適用に通常用いられる全ての剤形において存在してよい。これらの組成物は、標準的な方法に従って調製される。]
[0084] これらは、頭皮に対して、水性、アルコール性、若しくは水-アルコール性溶液の形態において、又はクリーム剤、ゲル剤、乳剤、若しくは泡沫剤の形態において、或いは、加圧下の噴射剤も含むエアロゾル組成物の形態において用いられてもよい。]
[0085] 本発明に係る組成物の様々な構成成分の量は、対象の分野において伝統的に用いられている量である。]
[0086] 治療有効量のポリペプチド又はポリヌクレオチドが投与される。用量は、様々なパラメータに従って、特に、用いられるポリペプチド又はポリヌクレオチド、治療すべき患者の年齢、体重、及び症状、投与経路、及び必要とされるレジメンに従って決定することができる。また、医師は、任意の特定の患者に必要とされる投与経路及び投与量を決定することができる。典型的な日用量は、ポリペプチドの活性、治療すべき対象の年齢、体重、及び症状、疾患のタイプ及び重症度、並びに投与頻度及び投与経路に従って、体重1kgあたり約0.001mgから50mgまで、好ましくは約0.01mg/kgから10mg/kgまでである。日用量レベルが0.5mgから2gまでであるのが好ましい。局所投与については、より低い投与量を用いることができる。]
[0087] 上に記載したOmCIヌクレオチド配列、及びこのような配列を含む発現ベクターも、上に概略した医薬製剤として用いることができる。RNA又はDNAなどの核酸、特にDNAが、治療されるべき個体の細胞において発現され得る発現ベクターの形態において提供されるのが好ましい。製剤は、裸のヌクレオチド配列を含んでいてよく、又は陽イオン性の脂質、ポリマー、若しくはターゲティングシステムと組み合わせてもよい。製剤は、任意の利用可能な技術によって送達することができる。例えば、核酸を、針注射によって、好ましくは、皮内に、皮下に、又は筋肉内に導入してもよい。或いは、核酸を、粒子媒介遺伝子送達などの核酸送達装置を用いて皮膚を超えて直接送達してもよい。核酸を、皮膚に、又は粘膜表面に、例えば、鼻腔内投与、経口投与、膣内投与、又は直腸内投与によって、局所的に投与してもよい。]
[0088] 核酸構築物の取込みを、例えば、トランスフェクション試薬の使用を含めた、いくつかの公知のトランスフェクション技術によって増強してもよい。これらの試薬の例として、陽イオン試薬、例えば、リン酸カルシウム、及びDEAE-デキストラン、並びにリポフェクタント(lipofectant)、例えば、リポフェクタム、及びトランスフェクタムが含まれる。投与すべき核酸の投与量は変更することができる。典型的には、核酸を、粒子媒介遺伝子送達については核酸1pgから1mgの、好ましくは1pgから10μgの範囲で、他の経路については10μgから1mgの範囲で投与する。]
[0089] OmCIポリペプチドは、炭素原子の長さが16個と20個の間の任意の非環状脂肪酸に結合することが示されている。しかし、LTB4は、他の脂肪酸よりも堅固に結合する。本発明のOmCIポリペプチドは、他の脂肪酸、例えば、治療活性を有する脂肪酸を送達するためにも用いることができる。本発明のOmCIポリペプチドは、LTB4の存在下、炎症部位に対してこのような脂肪酸を標的化するために用いることができる。具体的には、OmCIポリペプチドは、LTB4の存在下で結合している脂肪酸を放出する。このように、OmCIは、炎症部位に対して望ましい脂肪酸を標的化するために用いることができる。]
[0090] 例えば、酵母において発現されるOmCIは、その結合ポケット中にリシノール酸を含み(Roversiら、2007年)、細菌において発現されるOmCIはパルミトレイン酸に結合している(図1)ことが見出された。したがって、抗炎症脂肪酸を、本発明のOmCIポリペプチド中にローディングすることができる。LTB4を含む炎症部位と接触すると、OmCIポリペプチドに対してより堅固に結合するLTB4と置き換わることによって、結合している脂肪酸は放出され得る。本発明のこの態様に従って用いることができる治療用の脂肪酸の例には、リポキシンA4、リポキシンB4、レゾルビン、プロテクチン、15(S)-HETE、ドコサトリエン、13-ヒドロキシオクタデカジエン酸、15-ヒドロキシエイコサトリエン酸、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸、17-ヒドロキシドコサヘキサエン酸、リシノール酸、及びニトロ化脂肪酸、並びにこれら全ての類似体が含まれる(Bannenbergら、2005年;Cuiら、2006年;McMahon及びGodson、2004年;Papayianniら、1996年;Serhanら、2000年及び2002年;Serhan及びSavill、2005年;Ternowitzら、1989年;Takataら、1994年)。例えば、リポキシンは、ロイコトリエンの輸送を調節し、炎症の消散を促進するアポトーシス性の好中球の、非炎症性マクロファージの食作用を刺激する抗炎症物質を、内因性に生成する。好ましい一実施形態において、OmCIによる標的化に選択される脂肪酸は、炭素鎖のC15上にヒドロキシル基を有さない。或いは、例えば、C15上にヒドロキシル基を有する脂肪酸に結合する場合に、又はリポキシンに結合する場合に、結合ポケットにおける立体妨害を回避するために、配列番号2のArg107が、例えばGlyに改変されている、改変型OmCIを用いることができる。]
[0091] [実施例1]競合的ELISAにおいてOmCIは12(S)-HETE(12(S)-ヒドロキシエイコサテトラエン酸)に結合する
背景
OmCIは脂肪酸に結合する(図1)。質量分析法により、リシノール酸(C18H34O3)、及びパルミトレイン酸(C16H30O2)は、それぞれP.メタノリカ(P. methanolica)及び大腸菌において発現されるOmCIにおいて見出される優勢型である。しかし、真の生理学的リガンドは、炎症、酸化ストレス、及び細胞シグナル伝達を媒介する多くの宿主細胞膜由来のエイコサノイドの一又は複数である可能性がある。]
[0092] Assay Designs Inc.からの競合的酵素イムノアッセイ(EIA)は、数々のエイコサノイドの定量用に入手可能である。このようなEIAキットの一つは、アルカリホスファターゼで標識されている12(S)-HETEに結合する、12(S)-HETEに対するポリクローナル抗体を用いており、試料中又は既知濃度の標準中の非標識の12(S)-HETEと競合する。室温で同時にインキュベートし、プレート上に抗体を捕捉した後、過剰の試薬を洗い流し、基質を加え、反応をマイクロプレートリーダーによって測定する。非標識の脂肪酸がアルカリホスファターゼ標識した分子との結合と競合するので、試料中又は標準中の12(S)-HETE濃度が高いほど、吸光度の読取値は低い。]
[0093] 本発明者らは、OmCIが、イムノアッセイにおいて用いたエイコサノイド特異的抗体との結合を競合すると仮定した。この考えを調べるのに12(S)-ヒドロキシエイコサテトラエン酸(12(S)-HETE)を選択した、というのは、12(S)-HETEは(おそらく)(本発明者らの結晶学的データから、パルミトレイン酸により堅固に結合することが予想される)リシノール酸に最も類似する物理化学的性質を有するエイコサノイドであるからである。他の作用の中でも、12(S)-HETEは、多形核白血球及び血管平滑筋細胞に対して化学走化性及び化学運動性があることが示されている。]
[0094] 方法
12(S)-HETEEIAキットは、Assay Designs(カタログ番号900-050)からであった。用いたOmCIのストックは、酵母(yOmCI)又は細菌(bOmCI)のいずれかにおいて発現されたものであった。両ストックとも≧98%純粋であり、リン酸緩衝生理食塩水pH7.2(PBS)中8.3mg/mLであった。陰性対照のダニヒスタミン結合タンパク質RaHBP2は、やはりリポカリンであり(Paesenら、1999年)、細菌中で発現され、やはり≧98%純粋であり、PBS中8.3mg/mLであった。12(S)-HETE標準を、キットと一緒に供給されたアッセイバッファー中50000、12500、3125、781、195pg/mLに希釈した。12500、3125、及び0pg/mL溶液の100μlを、≦9μlのリン酸緩衝生理食塩水pH7.2(PBS)、又はOmCI若しくはRaHBP2のPBS溶液と混合した。混合物を20分間室温でインキュベートし、次いで製造元の指示に従って12(S)-HETEイムノアッセイにおいて用いた。処理した試料の吸光度の読取値を検量線と比べて、抗12(S)-HETEポリクローナル抗体による結合に利用可能な溶液中の12(S)-HETEの濃度を推定した。]
[0095] 結果
RaHBP2ではなくbOmCIは、抗体の結合に利用可能な溶液中の12(S)-HETEの量を低減し、bOmCIは12(S)-HETEに直接結合することを示唆している(図2)。PBS並びにbOmCI及びRaHBP2両方の精製タンパク質調製物は、いくらかの(≦1000pg/mL)12(S)-HETEを含んでいると思われる。]
[0096] 考察
細菌で発現されたタンパク質を用いたこれらの最初の結果は、OmCIが、パルミトレイン酸(C16及び1個の二重結合)又はリシノール酸(C18及び1個の二重結合)よりも長く(C20)、多くの不飽和結合(4個)を有する脂肪酸に結合できることを示唆している。さらに、12(S)-HETEは、リガンド結合にとって重要であると予想されたC9-C10に二重結合がない。結果は、パルミトレイン酸は12(S)-HETEによってbOmCIの結合ポケットから置換され得ることも示唆している。この仮説には注意が必要であるが、OmCIはモル数過剰で(約1000〜4000倍)用いられるため、ある比率の精製されたbOmCIはいかなるリガンドによっても占有されない可能性がある。]
[0097] [実施例2]12(S)-HETEのOmCIに対する結合に影響を及ぼすパラメータ
方法
実施例1において記載したものと同様の方法を用いた。]
[0098] 結果及び考察
12(S)-HETE結合を明確に実証する結果をもたらすには、12(S)-HETEに対してモル数過剰のbOmCIが必要とされる(図3)。図3に示すアッセイにおいて、bOmCIは、12(S)-HETEに対して約634、127、及び25.5モル過剰である。著しいモル数過剰のOmCIが必要であることは、12(S)-HETE結合に対するbOmCIと抗12(S)-HETE抗体の間の競合、bOmCIによる12(S)-HETEの低親和性結合、及び/又はパルミトレイン酸によって占有されないbOmCIのみによる結合を反映し得る。]
[0099] インキュベートを延長しても(室温で一夜)、bOmCIが結合する12(S)-HETEの割合は増大しない(図4)。]
[0100] 等濃度では、酵母(y)OmCIは、bOmCIほど12(S)-HETEに結合しない(図5)。12(S)-HETEに対して634モル過剰のOmCIでは、yOmCIは、12500pg/mLの12(S)-HETEの大まかに50%、bOmCIは97%に結合する。本実験において、理由は不明であるが、対照(RaHBP2)は、予想された12500pg/mlではなく、約19000pg/mLの12(S)-HETEの推定濃度をもたらした。]
[0101] これらの観察結果より、空であり、bOmCI及びyOmCIからのある比率のパルミトレイン酸と置き換わることができる組換えのbOmCIによって、12(S)-HETEが捕捉されることが示唆される。リシノール酸は、yOmCI結晶における結合ポケット全てを占有しており、より制限された程度まで12(S)-HETEによって置き換えられるようである。これは、リシノール酸はパルミトレイン酸よりも堅固にOmCIに結合するという、本発明者らの結晶学に基づく予想と一致する。]
[0102] [実施例3]OmCIはLTB4に結合するが、TXB2又はシステイニルロイコトリエンに結合しない
方法
ロイコトリエンB4(LTB4)、トロンボキサンB2(TXB2)、及びシステイニルロイコトリエン(cys-LK)の溶液測定用Assay Design Inc.EIAキットを購入し、製造元の指示に従って用いた。標準溶液100μlを≦9μlのPBS、又はOmCI若しくはRaHBP2の希釈したストック溶液と混合した。混合物を室温で20分間インキュベートし、次いで製造元の指示に従ってイムノアッセイにおいて用いた。処理した試料の吸光度の読取値を検量線と比べて、抗エイコサノイドポリクローナル抗体による結合に利用可能な溶液中のエイコサノイドの濃度を推定した。]
[0103] 結果
bOmCIは、環状エイコサノイドTXB2に結合せず(図6)、又はアミノ酸コンジュゲートしたCys-LKに結合しないようである(データは示さず)。これは、OmCIの結合ポケットは、これらのリガンドを収容するほど十分大きくないことを示す、本発明者らの結晶学的データと一致する(Roversiら、2007年)。]
[0104] ODの読みが実質上ゼロであり、したがって溶液中のLTB4の推定濃度(10000pg/mL)が実際にアッセイに加えられたLTB4の量(750pg/mL)よりもずっと高かったことから、LTB4EIAキットを用いた最初の実験は(図7)、bOmCIがLTB4-アルカリホスファターゼ(AP)コンジュゲートに直接結合することを示唆していた。対照のタンパク質RaHBP2を用いてアッセイにおいて検出されたLTB4の量は610pg/mL LTB4であり、これはアッセイに加えられたLTB4の実際の量と類似している。]
[0105] bOmCIがLTB4-APコンジュゲートに直接結合する可能性を試験するために、リガンドとしてLTB4-APコンジュゲート50μLのみを用い、非標識のLTB4を除外してアッセイを行った。図8は、LTB4-APに対するbOmCIの用量依存性の結合を示すものである。12(S)-HETE、TXB2-AP、及びcys-LK-APコンジュゲートに、bOmCIは直接結合しなかった(データは示さず)。]
[0106] キットの製造元は、自分たちが販売しているキット中のLTB4-APの濃度を知らない。しかし、本発明者らが、ありえないほど高い100%のコンジュゲート効率を想定し、IC50=1:1の結合を想定した場合、検量線より、LTB4-APの濃度は約110pg/mLとなる。図8より、本発明者らは0.33μgのbOmCIが約50%のLTB4-APに結合することを見ることができる。これより、本発明者らは、50%のLTB4-APに結合するには1200×過剰のbOmCIが必要とされると計算することができる。これは大きな過剰と思われるかもしれないが、結合は抗-LTB4抗体の存在下で行われ、コンジュゲートに対する結合はリンカーによって損なわれることがある。]
[0107] LTB4-APのyOmCI及びbOmCIに対する結合は、かなり類似しており(図9)、これは、12(S)-HETEと異なり(図5)、LTB4-APは結合ポケットからリシノール酸を中程度に効率的に置き換わることができることを示唆している。12(S)-HETEが過剰であっても、bOmCIに対するLTB4-AP結合に競合して勝ることはない(図10)。本実験において、過剰の12(S)-HETEがLTB4-APをbOmCIから置き換えるのであれば、プレート上への捕捉時にLTB4特異的抗体に結合しているLTB4-APの%は増大するであろうが、そうではない。]
[0108] [実施例4]理論的モデリングは、LTB4がOmCIの結合ポケット中に適切に結合することを示す
方法
http://davapc1.bioch.dundee.ac.uk/programs/prodrg/のPRODRGサーバーを用いることによって、LTB4に対する原子モデルを構築した。このLTB4モデルの最初の18個の原子を、次いで、PDB ID 2CM4におけるリシノール酸分子に手操作で適合させ、LTB4尾部の余分なC分子2個を、結晶中の空間を満たす水分子Z23を除去した後、OMCIポケットの底部内を指すように回転させる。次いで、このOMCI:LTB4モデルを、BUSTER-TNT及びCCP4-REFMAC5プログラムを用いて、幾何学的制約のみで理想化/最適化した。]
[0109] 結果
OmCIの脂肪酸結合ポケット中のLTB4のC20鎖は、PDB沈着構造(PDB ID 2CM4)から水Z23を除去することによって収容され得る(図11)。水は、より短いC18鎖を有するリシノール酸が結合していた場合、明らかにポケットを満たしていた。水分子は、アミノ酸E41及びF36のカルボニル基に対する水素結合を形成する。結合ポケット中で、長い脂肪酸を短い脂肪酸に交換すれば、水分子の除去によって、エントロピーに有利である。]
[0110] [実施例5]LTB4の局所適用によって誘発される局所的な皮膚反応は、組換えOmCIを加えることによって消失する
背景
5ngを超えるLTB4をヒトの皮膚に局所塗布することによって、局所の紅斑及び浮腫が誘発される(Greaves、1984年)。反応は12時間後に出現し、24〜48時間にピークとなる。]
[0111] 方法
LTB4 2μL(Biomol International、LPからの、純水エタノール中50ng/μLストック)を、約33×、16×、7×、若しくは2×モル過剰のbOmCI(17kDa)、又は15×、7×、3×、1×陰性対照のタンパク質オボアルブミン(Mr45kDa)を含む28μLのPBSと混合し、室温で20分間インキュベートした。次いで、溶液を、前腕の屈側表面に塗布し、空気乾燥した。最も濃縮されたタンパク質溶液を用い(純粋エタノール2μLを含む)、LTB4を単独でやはり塗布した。沈着物をチャンバー下で排除し、チャンバーは6時間後に除去した。皮膚反応を、12〜96時間観察した。]
[0112] 結果
図12に示すように、OmCIは、100ngのLTB4の局所塗布によって誘発される皮膚反応を消失させた。反応は塗布20〜30時間後に最高であった。皮膚反応は、試験した4濃度のOmCI全てによって完全に消失した。オボアルブミンは、LTB4単独に比べて病変の形成に対して影響を及ぼさなかった。LTB4なしで塗布されたタンパク質は、皮膚反応を誘発しなかった。結果は、bOmCIは溶液中のLTB4に結合し、無傷の皮膚によるその吸収を妨げることを示している。]
[0113] [実施例6]OmCIによるLTB4結合は吸光度によって明らかである
背景
ロイコトリエンは、そのコンジュゲートした二重結合系(トリエン発色団)により、特徴的で強力なUV吸収スペクトルを有する。水性媒体中、LTB4は271nmにピーク吸光度を有し、262nm及び282.5nmに「ショルダー(shoulder)」を有する。タンパク質のピーク吸光度は280nmにある。LTB4に結合しているOmCIは、タンパク質単独に比べて280nm付近にUV吸光度の増大を示し、ピーク吸光度のいずれかの側10nmにLTB4の特徴的なショルダーがある。]
[0114] 方法
bOmCI(4.5mg)を、39mLのPBS中1.8mLのLTB4(純粋エタノール中50ng/μLストック、Biomol International)と一緒に、10分間振盪しながら室温でインキュベートした。この混合物は、OmCI及びLTB4間のモル比1:1である。混合物を、Vivaspin(Sartorious)5kDaカットオフ限外ろ過装置中200μlに濃縮した。濃縮物をさらなる30mLのPBSで洗浄し、200μlに濃縮した。並行して、同量(4.5mg)のbOmCIを、39mLのPBS中の超純粋エタノール1.8mlとインキュベートし、次いで濃縮し、上に記載したように洗浄した。濃縮したタンパク質の最終体積は200μlであった。タンパク質のUV吸収スペクトルを、Nanodrop ND-1000分光光度計を用いて試験した。]
[0115] 結果
得られたスペクトルを図13に示す。LTB4単独では、リン酸緩衝生理食塩水pH7.4中で期待された特徴的な吸光度ピークを有し、ピークは271nm、261nm、及び281nmである(図13A)。LTB4とインキュベートし、大規模に洗浄して残渣のLTB4を除去したbOmCIの吸収スペクトルはLTB4結合を示すショルダーを有し、ピーク吸光度は、純粋エタノールとインキュベートしたbOmCIよりも著しく高い(図13B)。これは、bOmCIがLTB4に選択的に結合し、LTB4を溶液から除去することを示している。実際、最初の限外ろ過のステップを通した流れにおいてLTB4は検出できず(図13A)、これは(検出限界内で)最初の混合物に加えたLTB4全てにbOmCIが結合したことを示している。]
[0116] bOmCIが結合したLTB4のUVスペクトルに著しい変化が観察された。最大UVは、277nm、267nm、及び287nmに対して+6nm深色(赤色シフト)を示した(図13A及びB)。このシフトは、コンジュゲートしたロイコトリエンとbOmCIアミノ酸との間の分散相互作用によって引き起こされた可能性が高い。これは、トリエン発色団がタンパク質によって完全に包含されていることと一致する。同様の相互作用が、トリエン発色団によるUV吸収の淡色効果を引き起こす。これは直接測定されなかったが、200μl(濃縮されたタンパク質の最終体積)に濃縮された投入量のLTB4から予想されるピーク吸収が55.8であり(計算41.32ml/0.2ml×0.27 10mm吸光度)、bOmCIに結合したLTB4のピーク吸収の合計が約35.07であった(計算ピークbOmCIの10mm吸収:LTB4マイナスbOmCIのピーク吸収、即ち61.19-26.12)ことは注目に値する。タンパク質の喪失が最小であると想定すると、計算は淡色効果を意味する。]
[0117] [実施例7]結晶学的構造のデータは、bOmCIの結合ポケット中のLTB4を示す
方法
LTB4をローディングしたbOmCIタンパク質を、上に記載した通りに作製し(実施例6)、次いで25mg/mLに濃縮し、バッファーをTris-HCl pH7、30mM NaCLに交換し、結晶を成長させるのに用いた。回折データセットを、BM14@ESRF上2008年7月におけるP21OmCI:LTB4単斜晶(a=41.76Å b=112.81Å c=62.40Å β=101.89o、4コピー/非対称単位)から収集した。データを2.0Å解析について加工し、構造を分子置換によって最初に測定し、OmCI:LTB4モデルを構築し、R=20.7 R遊離=23.7、rmsd結合=0.005、rmsd角=0.9にまで正確にした。]
[0118] 結果
図14は、bOMCI結合ポケット中のLTB4の球形及び棒形の表示である。以下の残基が、LTB4に対する結合に直接関与する:
-Arg54、Thr85、Trp87:これらの残基はLTB4の頭部(カルボキシ基)に水素結合し、これらの残基の修飾は、頭部の基の化学的性質が異なるリガンドに結合するように工学的に作製することができる
-LTB4の疎水性の本体は、ポケットの疎水性側鎖:Phe36、Tyr43、Pro61、Leu70、Val72、Phe76、Leu57、Met74、Arg107、Phe89、Trp133、Trp87、Gly59と接触する
-Arg107及びGln105はLTB4炭素5(C5)の-OHを認識する
-His119及びAsp121はLTB4炭素12(C12)の-OHを認識する
リシノール酸は炭素5の-OH基を欠き、C9とC10の間に二重結合を一つだけ有し、LTB4よりも炭素原子2個短い。LTB4に比べてOMCI結合からリシノール酸結合の間の主な構造上の相違は、C5阻害に必要である132〜142ループの領域におけるものである(Mans及びRibeiro、2008年)。相違は、以下のように概略することができる:
-Glu141及びHis164側鎖フリップ(His164及びGlu14のこれらの変更は、Arg47及びArg148の側鎖からの2個の水素結合によって関連づけられる);これらの側鎖フリップの結果として、His164:Asp136の塩橋は失われ、132〜142ループは、G139に水素結合しているHis117の側鎖フリップ及び架橋水の喪失によって引き入れられる(pulled)。LTB4結合によって誘発されるこの立体構造の変化は、OmCIのC5に対する結合動力学の効果を有することがあるが、これに対するいかなる直接的な証拠も今のところ有さない。]
[0119] -マイナーな再構成を示す第2の領域は155〜159である。C5阻害領域の132〜142とポケットとの間には直接的な接触は存在しない。このループが四つのコピーにわたって三つの異なる結晶充填環境にあるにもかかわらず、132〜142ループ構造は、非対象単位における四つのコピー全てにおいて同じである。したがって、リシノール酸構造に関する相違は、小さな変更の中間層によってリガンドからループまでの構造のわずかな成長(propagation)による可能性がある。]
[0120] [実施例8]LTB4をbOmCIにプレローディングすると、ダニタンパク質がLTB4の局所塗布によって誘発される局所的皮膚反応を阻害するのを防止する
背景
OmCIは、LTB4の単一分子に高親和性で結合する(上記実施例6及び7を参照されたい)。したがって、LTB4で結合部位を飽和することにより、LTB4の局所塗布が誘発する皮膚反応をOmCIが阻害するのを防止する(上記実施例5を参照されたい)。]
[0121] 方法
結合ポケット中へLTB4をローディングしたbOmCI、及びローディングなしのbOmCI(実施例6)を用いた。100ngのLTB4(50ng/mLストックの体積2μL)を、bOmCI:LTB4、bOmCI、又は陰性対照のオボアルブミンタンパク質を含む28μLのPBSと混合した。溶液を室温で10分間インキュベートし、次いで前腕の屈側表面に塗布し、空気乾燥した。最も濃縮されたタンパク質溶液を用い(純粋エタノール2μLを含む)、PBS中LTB4も単独で、それぞれ陰性対照及び陽性対照として塗布した。沈着物をチャンバー下で排除し、チャンバーは6時間後に除去した。皮膚反応を12〜96時間観察した。]
[0122] 結果
図15に示すように、OmCIは、4:1から1:1比での100ngのLTB4の局所塗布によって誘発される皮膚反応を消失させた。LTB4をプレローディングしたOmCIは、4:1のモル比で用いた場合でも皮膚反応を防止しなかった。より低いモル比のOmCI(0.5:1及びそれ未満)は、LTB4単独に比べて病変の形成に対して効果がなかった。オボアルブミンは病変の形成に対して阻害効果がなかった。LTB4なしで塗布したタンパク質はどれも皮膚反応を誘発しなかった。結果は、LTB4で飽和させたbOmCIは、溶液中のさらなるLTB4に結合することができないことを示している。]
[0123] [実施例9]OmCIは免疫性肺疾患を阻害する
方法
0、50、100、及び250μgの組換えOmCIを、0.3%エバンスブルー(EB)を含む300μgのOvaと一緒に静脈投与した。OmCIは、LTB4と共に発現させた又はLTB4をプレローディングしたものとして用いた(実施例6を参照されたい)。MK886はロイコトリエン合成阻害物質である。陽性対照として、MK886を、0.3%エバンスブルー(EB)を含む300μgのOvaと一緒に投与した。]
[0124] 抗Ova抗体の鼻腔内適用(150μg/マウス)を、OmCI、LTB4又はMK886をプレローディングしたOmCIの投与15分後に投与した。]
[0125] 結果
用量100μgのOmCIを静脈内注射し15分後にOVA抗体を鼻腔内投与すると、肺における好中球の動員及び肺微小血管損傷を低減し、気管支肺胞腔におけるタンパク質滲出は減少した(図16)。効果は用量依存的であった(データは示さず)。]
[0126] ロイコトリエンB4(LTB4)は免疫複合体誘発性肺傷害の際に局所的に生成され、MK886でLTB4を阻害すると微小血管損傷及び炎症は劇的に低減した(図16)。]
[0127] 構造上のデータは、OmCIがLTB4に対してさらなる結合部位を有することを実証している。したがって、本発明者らは、OmCIによるLTB4結合は、免疫複合体誘発性疾患の阻害に寄与し得るか否かを問うた。実際、LTB4結合部位の飽和によりOmCIの阻害効果は減弱したが、反応は抑止されなかった(図16)。]
[0128] 考察
OmCIは、機能的なC5及びLTB4結合部位を発現し、免疫複合体誘発性のC5及びLTB4を除去すると肺の病態の阻害に寄与する。]
実施例

[0129] 参照文献
Aiello, R. J., Bourassa P-A., Lindsey, S., Weng, W., Freeman, A., Showell, H. J. (2002). Leukotriene B4 Receptor Antagonism Reduces Monocytic Foam Cells in Mice. Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology 22, 443-449.
Aoki, H., Hisada, T., Ishizuka, T., Utsugi, M., Kawata, T., Shimizu, Y., Okajima, F., Dobashi, K., Mori, M. (2008) Resolvin E1 dampens airway inflammation and hyperresponsiveness in a murine model of asthma. Biochem Biophys Res Commun. 367:509-15.
Arita, M., Yoshida, M., Hong, S., Tjonahen, E., Glickman, J.N., Petasis, N.A., Blumberg, R.S., Serhan, C.N. (2005) Resolvin E1, an endogenous lipid mediator derived from omega-3 eicosapentaenoic acid, protects against 2,4,6-trinitrobenzene sulfonic acid-induced colitis. Proc Natl Acad Sci U S A. 102:7671-6.
Aya, I. (2006) Blockade of leukotriene B4 signalling pathway directly inhibits cell proliferation and induces apoptosis colon cancer, Yokohama Medical Journal 57, 43-52.
Bisgaard H., Groth S., and Madsen F. (1985). Bronchial hyperreactivity to leukotriene D4 and histamine in exogenous asthma. Br Med J. 290, 1468-1471.
Bannenberg, G.L., Chiang, N., Ariel, A., Arita, M., Tjonahen, E., Gotlinger, K.H., Hong S. and Serhan, C.N. (2005). MolecularCircuits of Resolution: Formation and Actions of Resolvins and Protectins. J. Immunol. 174, 4345-4355.
Chen, M., Lam, B.K., Kanaoka, Y., Nigrovic, P.A., Audoly, L.P., Austen, K.F. and Lee D.M. (2006). Neutrophil derived leukotriene B4 is required for inflammatory arthritis. J. Exp. Med. 203, 837-842.
Chiang, N., Serhan, C.N., Dahlen, S-E., Drazen, J.M., Hay, D.W.P., Rovati, G.E., Shimizu, T., Yokomizo, T. and Brink, C. (2006). Review Article: The lipoxin receptor ALX: potent ligand-specific and stereoselective actions in vivo. Pharmacol Rev 58:463-487.
Cui, T., Schopfer, F.J., Zhang, J., Chen, K., Ichikawa, T., Baker, P.R.S., Batthyany, C., Chacko, B.K., Feng, X., Patel, R.P., Agarwal, Freeman, B.A., and Chen, Y.E. (2006) Nitrated Fatty Acids: Endogenous Anti-inflammatory Signalling Mediators. J. Biol. Chem. 281, 35686-35698.
Curry, S.L., Cogar, S.M. and Cook, J.L. (2005). Nonsteroidal Antiinflammatory Drugs: A Review. Journal of the American Animal Hospital Association 41, 298-309.
Curtis-Prior, P. (ed.) The Eicosanoids. John Wiley & Sons. ISBN 0471 1489840.
Czarnetzki, B. (1983). Increased monocyte chemotaxis towards leukotriene B4 and platelet activating factor in patients with inflammatory dermatoses. Clin Exp Immunol. 54, 486-492.
Del Prete A., Shao W.H., Mitola S., Santoro G., Sozzani S., and Haribabu, B. (2007) Regulation of dendritic cell migration and adaptive immune response by leukotriene B4 receptors: a role forLTB4 in up-regulation ofCCR7 expression and function. Blood, 109, 626-631.
Ding, X-Z., Hennig, R. and Adrian T.E. (2003). Lipoxygenase and cyclooxygenase metabolism: new insights in treatment and chemoprevention of pancreatic cancer. Mol. Cancer 2, 10.
Drazen J. M. (1988). Comparative contractile responses to sulfidopeptide leukotrienes in normal and asthmatic human subjects. Ann NY Acad Sci. 524, 289-297.
Dube L.M., Swanson L.J., Awni W.M., Bell R.L., Carter G.W., Ochs R.F. (1998). Zileuton: the first leukotriene inhibitor for use in the management of chronic asthma. In: Drazen JM, Dahlen S, Lee TH, eds. Five-lipoxygenase Products in Asthma. New York, NY: Marcel Dekkar, Inc.
Ford-Hutchinson, A. (1990). Leukotriene B4 in inflammation. Crit. Rev. Immunol. 10, 1-12.
Freedman R.S., Wang E., Voiculescu S., Patenia R., Bassett R.L. Jr, Deavers, M., Marincola F.M., Yang P., Newman R.A. (2007). Comparative analysis of peritoneum and tumor eicosanoids and pathways in advanced ovarian cancer. Clin. Cancer Res. 13, 5736-5744.
Furstenberger, G., Krieg, P., Muller-Decker, K. and Habenicht A.J. (2005). What are cyclooxygenases and lipoxygenases doing in the driver's seat of carcinogenesis? Int. J. Cancer 119, 2247-2254.
Ghosh, J. and Myers, C.E. (1998). Inhibition of arachidonate 5-lipoxygenase triggers massive apoptosis in human prostate cancer cells. Proc Natl Acad Sci. USA 95, 13182-13187.
Gilroy, D.W., Lawrence, T., Perretti, M. and Rossi A.G. (2002). Inflammatory resolution: new opportunities for drug discovery. Nature Reviews 3, 401-416.
Greaves, M.W. (1984). Novel in vivo models of human skin pathophysiology. British Journal of Dermatology 111, Supplement 27, 183-187.
Griffiths, R., Pettipher, E., Koch, K., Farrell, C., Breslow, R., Conklyn, M., Smith, M., Hackman, B., Wimberly, D., Milici, A., et al. (1995). Leukotriene B4 plays a critical role in the progression of collagen induced arthritis. Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A. 92, 517-521.
Hammamieh, R., Sumaida, D., Zhang, X.Y., Das, R. and Jett,. M. (2007). Control of the growth of human breast cancer cells in culture by manipulation of arachidonate metabolism.BMCCancer 7: 138.
Hao C.M. and Breyer M.D. (2007). Physiologic and pathophysiologic roles of lipid mediators in the kidney. Kidney International 71, 1105-1115.
Harrison, K. A., Murphy, R.C. (1995). Isoleukotrienes are biologically active free radical products of lipid peroxidation. J. Biol. Chem. 270, 17273-17276.
Hasturk H., Kantarci A., Goguet-Surmenian E., Blackwood A., Andry, C., Serhan, C.N. and Van Dyke T.E. (2007). Resolvin E1 Regulates Inflammation at the Cellular and Tissue Level and Restores Tissue Homeostasis In Vivo. J. Immunol. 179, 7021-7029.
Hebell, T., Ahearn, J.M., and Fearon, D.T. (1991). Suppression of the immune response by a soluble complement receptor of B lymphocytes. Science, 254, 102-105.
Heller E.A., Liu E., Tager A.M., Sinha S., Roberts J.D., Koehn S.L., Libby P., Aikawa E.R., Chen J.Q., Huang P., Freeman M.W., Moore K.J., Luster A.D., and Gerszten R.E. (2005) Inhibition of atherogenesis inBLT1-deficient mice reveals a role for LTB4 and BLT1 in smooth muscle cell recruitment. Circulation 112, 578-586.
Hennig, R., Ventura, J., Segersvard, R., Ward, E., Ding, X-Z., Rao, S.M., Jovanovic, B.D., Iwamura, T., Talamonti, M.S., Bell, Jr, R.H. and Adrian, T.E. (2005). LY293111 Improves Efficacy of Gemcitabine Therapy on Pancreatic Cancer in a Fluorescent Orthotopic Model in Athymic Mice. Neoplasia 7, 417-425.
Hepburn, N.J., Williams, A.S., Nunn, M.A., Chamberlain-Banoub, J.C., Hamer, J., Morgan, B.P. and Harris, C.L. (2007) In vivo characterisation and therapeutic efficacy of C5-specific inhibitor from the soft tick Ornithodoros moubata. J Biol Chem. 282, 8292-8299.
Homeister, J.W., Satoh, P., and Lucchesi, B.R. (1992). Effects of complement activation in the isolated heart. Role of the terminal complement components. Circ. Res. 71, 303-319.
Hoover, H., Karnovasky, M., Austen, K., Corey, E. and Lewis, R. (1984). Leukotriene B4 action on endothelium mediates augmented neutrophil/endothelial adhesion. Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A. 81, 2191-2193.
Ikai, K. (1999). Psoriasis and the arachidonic acid cascade. J. Dermatol. Sci. 21, 135-146.
Imig, J.D. (2000). Eicosanoid regulation of the renal vasculature. Am. J. Physiol. Renal Physiol. 279, F965-F981.
Islam, S.A., Thomas, S.Y., Hess, C., Medoff, B.D., Means, T.K., Brander, C., Lilly, C.M., Tager, A.M., and Luster A.D. (2006). The leukotriene B4 lipid chemoattractant receptor BLT1 defines antigen-primed T cells in humans. Blood 107, 444-453.
Kallio, E., Lemstrom, K., Ryan, U., Hayry, P., and Koskinen P. (1999). Inhibition of complement reduces obliterative bronchiolitis. Transplantation Proceedings 31, 188.
Klaas P.J.M. van Gisbergen, Marta Sanchez-Hernandez, Teunis B.H. Geijtenbeek, and Yvette van Kooyk (2005) Neutrophils mediate immune modulation of dendritic cells through glycosylation-dependent interactions between Mac-1 and DC-SIGN. J. Exp. Med. 201, 1281-1292.
Kim, N.D., Chou, R.C., Seung, E., Tager, A.M. and Luster, A.D. (2006). A unique requirement for the leukotriene B4 receptorBLT1 for neutrophil recruitment in inflammatory arthritis. J. Exp. Med. 203, 829-835.
Liao T., Ke Y., Shao W.H., Haribabu B., Kaplan H.J., Sun D., and Shao H. (2006) Blockade of the interaction of leukotriene B4 with its receptor prevents development of autoimmune uveitis. Invest Opthalmol Vis Sci. 47, 1543-1549.
Lundeen K.A., Sun B., Karlsson L., and Fourie A.M. (2006) Leukotriene B4 receptors BLT1 and BLT2: expression and function in human and murine mast cells. J. Immunol. 177, 3439-3447.
Kim, N.D. and Luster, A.D. (2007). Regulation of immune cells by eicosanoid receptors. Review Article, The Scientific World Journal 7, 1307-1328.
McMahon, B. and Godson, C. (2004). Lipoxins: endogenous regulators of inflammation. Am J Physiol Renal Physiol. 286, F189-F201.
Mans, B.J. & Ribeiro, J.M.C. (2008) Function, mechanism and evolution of the moubatin-clade of soft tick lipocalins. Insect Biochem. Mol. Biol. 38:841-852.
Markiewski M.M., DeAngelis R.A., Benencia F., Ricklin-Lichtsteiner S.K., Koutoulaki A., Gerard C., Coukos G., Lambris J.D. (2008) Modulation of the antitumor immune response by complement. Nat Immunol. 9:1225-1235.
Massoumi, R., and Sjolander, A. (2007). The role of leukotriene receptor signaling in inflammation and cancer. TheScientificWorldJournal 7, 1413-1421.
Merched, A.J., Ko, K., Gotlinger, K.H., Serhan, C.N., Chan, L. (2008) Atherosclerosis: evidence for impairment of resolution of vascular inflammation governed by specific lipid mediators.FASEB J. 22:3595-606.
Miyahara, N., Miyahara, S., Takeda, K., and Gelfand G.W. (2006). Role of the LTB4/BLT1 Pathway in Allergen-induced Airway Hyperresponsiveness and Inflammation. Allergol Int. 55, 91-7.
Noiri, E., Yokomizo, T., Kakao, A., Izumi, T., Fujita, T., Kimura, S., and Shimizu, T. (2000). An in vivo approach showing the chemotactic activity of leukotriene B(4) in acute renal ischaemic-reperfusion injury. Proc Nat Acad Sci USA 97, 823-828.
Nunn, M.A., Sharma, A., Paesen, G.C., Adamson, S., Lissina, O., Willis, A.C., & Nuttall, P.A. (2005) Complement inhibitor of C5 activation from the soft tick Ornithodoros moubata J. Immunol.174, 2084-2091.
PaesenGC, AdamsPL, Harlos K, Nuttall PA, Stuart DI. (1999) Tick histamine-binding proteins: isolation, cloning, and three-dimensional structure. Mol Cell 3, 661-671.
Papayianni, A., Serhan, C.N. and Brady, H.R. (1996). Lipoxin A4 and B4 inhibit leukotriene-stimulated interactions of human neutrophils and endothelial cells. J. Immunol. 156, 2264-2272.
Peters-Golden, M. & Henderson Jr., W.R. (2007). Leukotrienes. N. Eng. J. Med. 357, 1841-1854.
Powell W.S., and Rokach J. (2005) Biochemistry, biology and chemistry of the 5-lipoxygenase product 5-oxo-ETE. Prog Lipid Res. 44, 154-183.
Rios-Santos, F., Benjamin, C.F., Zavery, D., Ferreira, S.H. and Cunha Fde, Q. (2003). A critical role of leukotriene B4 in neutrophil migration to infectious focus in caecal ligation and puncture sepsis. Shock 19, 61-65.
Roversi, P.R., Lissina, O., Johnson, S., Ahmat, N., Paesen, G.C., Ploss, K., Boland, W., Nunn, M.A., and Lea, S.R. (2007) The structure of OmCIa novel lipocalin inhibitor of the complement system. J. Mol. Biol. 369:784-93.
Runarsson, G., Liu, A., Mahshid, Y., Feltenmark, S., Pettersson, A., Klein, E., Bjorkholm, M. and Claesson, H. (2005) Leukotriene B4 plays a pivotal role in CD40-dependent activation of chronic B lymphocytic leukemia cells. Blood 105: 1274-1279.
Samuelsson, B. (1983). Leukotrienes: mediators of immediate hypersensitivity reactions and inflammation. Science 220, 569-575.
Schwartz, G.K., Weitzman, A., O'Reilly, E., Brail, L., de Alwis, D.P., Cleverly, A., Barile-Thiem, B., Vinciguerra, V., and Budman D.R. (2005) Phase I and Pharmacokinetic Study of LY293111, an Orally Bioavailable LTB4 Receptor Antagonist, in Patients With Advanced Solid Tumors. Journal of Clinical Oncology, 23, 5365-5373.
Sebaldt, R.J., Sheller, J.R., Oates, J.A., Roberts, L.J. and FitzGerald G.A. (1990). Inhibition of eicosanoid biosynthesis by glucocorticoids in humans. Proc Natl Acad Sci. U.S.A. 8, 6974-6978.
Serhan, C. N. et al. (2000). Novel functional sets of lipid-derived mediators with antiinflammatory actions generated from omega-3 fatty acids via cyclooxygenase 2-nonsteroidal antiinflammatory drugs and transcellular processing. J. Exp. Med. 192, 1197-1204.
Serhan, C. N. et al. (2002). Resolvins: a family of bioactive products of omega-3 fatty acid transformation circuits initiated by aspirin treatment that counter proinflammation signals. J. Exp. Med. 196, 1025-1037.
Serhan CN and Savill J (2005) Resolution of inflammation: the beginning programs the end. Nat Immunol 6, 1191-1197.
Shao W.H., Del Prete A., Bock C.B., Haribabu B. (2006) Targeted Disruption of Leukotriene B4 Receptors BLT1 and BLT2: A Critical Role for BLT1 in Collagen-Induced Arthritis in Mice. J. Immunol. 176, 6254-6261.
Sharma, J.N. and Mohammed, L.A. (2006). The role of leukotrienes in the pathophysiology of inflammatory disorders: is there a case for revisiting leukotrienes as therapeutic targets? Immunopharmacology 14, 10-16.
Showell, H.J., Pettipher, E.R., Cheng, J.B., Breslow, R., Conklyn, M., Farrell, C.A, Hingorani, G.P., Salter, E.D., Hackman, B.C., Wimberly, D.J. et al (1995). The in vitro and in vivo pharmacologic activity of the potent and selective leukotriene B4 receptor antagonist CP-105696. J. Pharm. Exp. Ther. 273, 176-184.
Stelmach I., Korzeniewska A., Stelmach W., Majak P., Grzelewski T., Jerzynska J. (2005). Effects of montelukast treatment on clinical and inflammatory variables in patients with cystic fibrosis. Ann Allergy Asthma Immunol. 95, 372-380.
Tager, A.M. and Luster, A.D. (2003). BLT1 and BLT2: the leukotriene B(4) receptors. Prostaglandins Leukot. Essent. Fatty Acids 69, 123-134.
Takata, S., Matsubara, M., Allen, P.G., Janmey, P.A., Serhan, C.N. and Brady H.R. (1994). Remodeling of neutrophil phospholipids with 15(S)-hydroxyeicosatetraenoic acid inhibits leukotriene B4-induced neutrophil migration across endothelium. J Clin Invest. 93, 499-508.
Taube C., Miyahara N., Ott V., Swanson B., Takeda K.,Loader J., Shultz L.D., Tager A.M., Luster A.D., Dakhama A., and Gelfand E.W. (2006) The leukotriene B4 receptor BLT1 is required for effector CD8+ T cell-mediated, mast cell-dependent airway hyperresponsiveness. J. Immunol. 176, 3157-3164.
Terawaki K., Yokomizo T., Nagase T., Toda A., Taniguchi M., Hashizume K., Yagi T., and Shimizu T. (2005) Absence of leukotriene B4 receptor 1 confers resistance to airway hyperresponsiveness and Th2-type immune responses. J. Immunol. 175, 4217-4225.
Ternowitz, Th., Andersen P.H., Bjerring P., Fogh K., Schroder J.M. and Kragballe K. (1989). 15-Hydroxyeicosatetraenoic acid (15-HETE) specifically inhibits the LTB4-induced skin response. Archives of Dermatological Res. 281, 401-405.
Van Dyke T.E. (2008) The management of inflammation in periodontal disease. (2008) J Periodontol. 79(8 Suppl):1601-8.
Van Dyke, T.E. and Serhan, C.N. (2003). Concise review: Resolution of Inflammation: A New Paradigm for the Pathogenesis of Periodontal Diseases. J. Dent. Res. 82, 82-90.
Weringer, E.J., Perry, B.D., Sawyer, P.S., Gilman, S.C. and Showell, H.J. (1999). Antagonising leukotriene B4 receptors delays cardiac allograft rejection in mice. Transplantation 67, 808-815.
Yamaoka, K A., Claesson, H.E., and Rosen, A. (1989) Leukotriene B4 enhances activation, proliferation, and differentiation of human B lymphocytes. J. Immunol. 143, 1996-2000.
Yokomizo, T., Kato, K., Higiya, H., Izumi, T. and Shimizu, T. (1997). A G-protein coupled receptor for leukotriene B4 that mediates chemotaxis. Nature 387, 620-624.
Yokomizo, T., Kato, K., Terwaki, K., Y., Izumi, T. and Shimizu, T. (2000). A second leukotriene B(4) receptor, BLT2. A new therapeutic target in inflammation and immunological disorders. J. Exp. Med. 192, 421-432.
Yokomizo, T., Isumi, T., Chang, K., Takuwa, Y., Shimizu, T. (2001). Hydroxyeicosanoids bind to and activate the low affinity leukotriene B4 receptor BLT2. J. Biol. Chem. 276, 12454-12459.
Zhang, L., Zhang, X., Wu, P., Li, H., Jin, S., Zhou, X., Li, Y., Ye, D., Chen, B., Wan, J. (2008) BML-111, a lipoxin receptor agonist, modulates the immune response and reduces the severity of collagen-induced arthritis. Inflamm Res. 57:157-62.
Zhu, Y. I. and Stiller M.J. (2000). Preview of potential therapeutic applications of leukotriene B4 inhibitors in dermatology. Skin Pharmacol Appl Skin Physiol. 13, 235-245.
Ziboh, V.A., Miller, C.C., and Cho, Y. (2000). Metabolism of polyunsaturated fatty acids by skin epidermal enzymes: generation of antiinflammatory and antiproliferative metabolites. American J of Clin Nutrition 71, S361-S366]
权利要求:

請求項1
ロイコトリエン又はヒドロキシエイコサノイドによって媒介される疾患又は症状を治療するための、OmCIポリペプチド又はOmCIポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
請求項2
OmCIポリペプチドが、カズキダニ(Ornithodoros moubata)のダニ由来補体阻害物質、又はロイコトリエン/ヒドロキシエイコサノイド(LK/E)結合活性を有するその機能的同等物である、請求項1に記載のOmCIポリペプチド又はポリヌクレオチド。
請求項3
OmCIポリペプチドが、(a)配列番号3のアミノ酸配列、(b)配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有し、かつLK/E結合活性を有するその変異体、又は(c)LK/E結合活性を有するそのいずれかの断片を含む、請求項1又は2に記載のポリペプチド又はポリヌクレオチド。
請求項4
LTB4に結合する、請求項1、2又は3に記載のポリペプチド。
請求項5
該ポリペプチドが、配列番号2の配列からなる、又は配列番号2のアミノ酸19〜168からなる、請求項4に記載のポリペプチド又はポリヌクレオチド。
請求項6
該ポリヌクレオチドが、(a)配列番号1のコード配列、(b)遺伝子コードの結果として(a)で規定される配列に対して縮重の配列、(c)(a)若しくは(b)で規定される配列と少なくとも60%の同一性を有し、かつLK/E結合活性を有するポリペプチドをコードする配列、又は(d)LK/E結合活性を有するポリペプチドをコードする、(a)、(b)若しくは(c)で規定される配列のいずれか一つの断片を含む、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
請求項7
配列番号1に示される核酸配列からなる、請求項6に記載のポリヌクレオチド。
請求項8
疾患又は症状が、ブドウ膜炎、アトピー性皮膚炎、接触過敏症、潰瘍性大腸炎、食道腺癌、膵臓腺癌、乳癌、卵巣癌、大腸癌、肺癌、ざ瘡、閉塞性細気管支炎、動脈瘤、歯周病、嚢胞性線維症及び前立腺癌、炎症後色素沈着、線維筋痛症、全身性エリテマトーデス、腫瘍転移、強皮症、多発性硬化症、サルコイドーシス、放射線誘発性消化管炎症、及び痛風から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリペプチド又はポリヌクレオチド。
請求項9
疾患又は症状が、喘息、気管支炎、アテローム性動脈硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患(クローン病を含む)、敗血症、動脈炎、心筋梗塞、卒中、及び冠動脈性心疾患、虚血再潅流傷害、腎炎、及び関節リウマチを含む関節炎、脊椎関節症、骨関節炎、及び若年性関節炎から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリペプチド又はポリヌクレオチド。
請求項10
それを必要とする対象においてロイコトリエン又はヒドロキシエイコサノイドによって媒介される疾患又は症状を治療又は予防する方法であって、対象に、治療有効量のOmCIポリペプチド又はOmCIポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを投与することを含む方法。
請求項11
OmCIポリペプチドと脂肪酸とを含む組成物。
請求項12
OmCIポリペプチドが請求項2、3、4又は5に記載のものである、請求項10に記載の組成物。
請求項13
個体への脂肪酸の送達に使用するための、請求項11、12又は13に記載の組成物。
請求項14
脂肪酸が、リポキシンA4、リポキシンB4、レゾルビン、プロテクチン、15(S)-HETE、ドコサトリエン、13-ヒドロキシオクタデカジエン酸、15-ヒドロキシエイコサトリエン酸、15-ヒドロキシエイコサペンタエン酸、17-ヒドロキシドコサヘキサエン酸及びニトロ化脂肪酸、並びにそのいずれかの類似体から選択される、請求項11、12又は13に記載の組成物。
請求項15
炎症の治療に使用するための、請求項11〜14のいずれか1項に記載の組成物。
請求項16
ブドウ膜炎、アトピー性皮膚炎、接触過敏症、潰瘍性大腸炎、食道腺癌、膵臓腺癌、乳癌、卵巣癌、大腸癌、肺癌、ざ瘡、閉塞性細気管支炎、動脈瘤、歯周病、嚢胞性線維症及び前立腺癌、炎症後色素沈着、線維筋痛症、全身性エリテマトーデス、腫瘍転移、強皮症、多発性硬化症、サルコイドーシス、放射線誘発性消化管炎症、及び痛風、喘息、気管支炎、アテローム性動脈硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患(クローン病を含む)、敗血症、動脈炎、心筋梗塞、卒中、及び冠動脈性心疾患、虚血再潅流傷害、腎炎、及び関節リウマチを含む関節炎、脊椎関節症、骨関節炎、及び若年性関節炎の治療に使用するための、請求項15に記載の組成物。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
US10711038B2|2020-07-14|Agonists of guanylate cyclase useful for the treatment of gastrointestinal disorders, inflammation, cancer and other disorders
US9505805B2|2016-11-29|Agonists of guanylate cyclase useful for the treatment of gastrointestinal disorders, inflammation, cancer and other disorders
Kröncke et al.1998|Inducible nitric oxide synthase in human diseases
Serhan2010|Novel lipid mediators and resolution mechanisms in acute inflammation: to resolve or not?
Haeggström et al.2011|Lipoxygenase and leukotriene pathways: biochemistry, biology, and roles in disease
Tamamura et al.2001|Development of specific CXCR4 inhibitors possessing high selectivity indexes as well as complete stability in serum based on an anti-HIV peptide T140
Saksouk et al.2005|Histone-modifying complexes regulate gene expression pertinent to the differentiation of the protozoan parasite Toxoplasma gondii
DK2812020T3|2018-08-06|28 schedosoma kda gst proteins for its use in the treatment of inflammatory auto-immune diseases generating a th1 and / or th17 response
ES2473587T3|2014-07-07|Proteínas de fusión de RAGE y métodos de uso
US6583109B1|2003-06-24|Therapeutic polypeptides from β-hCG and derivatives
EP2378875B1|2018-05-30|Cell-permeant peptide-based inhibitor of kinases
JP5942023B2|2016-06-29|高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、冠動脈性心疾患、胆石、肥満症、および他の心血管疾患の処置のために有用なグアニル酸シクラーゼのアゴニスト
Swenerton et al.2011|The oligopeptidase B of Leishmania regulates parasite enolase and immune evasion
ES2393610T3|2012-12-26|Cepa de protozoo de la especie Leishmania infantum de virulencia atenuada y su utilización
US20170056524A1|2017-03-02|Compositions and methods for targeted epigenetic modification
US20120220526A1|2012-08-30|Agonists of Guanylate Cyclase Useful for the Treatment of Gastrointestinal Disorders, Inflammation, Cancer and other Disorders
AU2020203186A1|2020-06-04|Process of Preparing Guanylate Cyclase C Agonists
EP2328910B1|2014-08-06|Agonists of guanylate cyclase useful for the treatment of gastrointestinal disorders, inflammation, cancer and other disorders
US20150056253A1|2015-02-26|Engineered nucleic acids and methods of use thereof
JP5476297B2|2014-04-23|バイオフィルム治療
KR20180095100A|2018-08-24|약제학적 조성물, 치료 방법 및 이의 용도
AU2018226473B2|2020-06-04|Ultra-Pure Agonists Of Guanylate Cyclase C, Method Of Making And Using Same
KR20120128129A|2012-11-26|심장 병태의 치료
US20040019181A1|2004-01-29|Antimicrobial cationic peptides
JP5613563B2|2014-10-22|抗菌活性を有するb型ランチビオティック型化合物の使用
同族专利:
公开号 | 公开日
EP2254667A2|2010-12-01|
AU2009211257A1|2009-08-13|
BRPI0908889A2|2015-09-15|
GB0802116D0|2008-03-12|
CA2713032A1|2009-08-13|
US20110059885A1|2011-03-10|
WO2009098454A3|2010-06-24|
WO2009098454A2|2009-08-13|
MX2010008353A|2010-11-09|
CN102066412A|2011-05-18|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-02-07| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120206 |
2013-08-15| A761| Written withdrawal of application|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20130814 |
2013-08-31| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20130814 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
[返回顶部]